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弁護士は仕事がないと言われる理由や真実|儲かる弁護士になる方法も解説

弁護士は仕事がないと言われる理由や真実|儲かる弁護士になる方法も解説

本記事では、現役弁護士の私が「法律事務所に勤務する弁護士の平均残業時間や残業の実態」について解説します

これから弁護士を目指そうとしている方や司法修習生、就活中の弁護士の中には、「弁護士は仕事がないと聞いたけど本当だろうか?」と不安を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

結論から言うと、弁護士は今も十分に仕事があり、需要もあります。

「稼げない」「食えない」と一部では言われているようですが、実態はそうではありません。

そこで本記事では、弁護士は稼げないと噂される理由や実情、儲かる弁護士になるための方法について解説します。

私自身も実際に法律事務所で12年働いてきているため、本記事の信憑性は補償します。

※記事の最後には、弁護士専門の転職サイト「リーガルジョブボード」のエージェントから、高年収や残業少などの優良求人を紹介しているので、気になる方はあわせてご覧ください。

弁護士Mさん(12年目)
この記事を書いた人
弁護士Mさん(12年目)
登録12年目の弁護士(大阪弁護士会所属)。大阪大学法学部卒業後、一般民事事件を主に取り扱う法律事務所に勤務。弁護士業務に従事しつつ、法的内容を扱う記事監修も行っている。

弁護士は「食えない」「仕事がない」と言われる理由

まず、弁護士が「食えない」「仕事がない」「儲からない」と言われる理由を、以下に挙げます。

 

弁護士数の増加

1999年以降、法務省は司法制度改革に取り組み始めました。

司法制度改革の目的は、法務省の説明によると、「社会の複雑、多様化、国際化などに加え、規制緩和などの改革による社会の様々な変化に伴って、司法の機能を充実強化し、国民が身近に利用することができ、社会の法的ニーズに的確にこたえることができる司法制度を構築すること」とされています。

要約すると、司法制度改革は、国民がより容易に法的サービスを利用することができる環境を整えるための改革ということです。

その司法制度改革の一端として、法務省は、弁護士数を増加させることとしました。

そうして、弁護士数を増加させようとする司法制度改革により、2004年にロースクールが開設され、2006年より新司法試験制度が始まり、毎年の司法試験合格者は倍増しました。

現在は、年間合格者約1500人で推移しています。新司法試験制度が始まるまでの合格者数は少ない年で500人、多くても1000人前後でした。

こうした、司法制度改革に伴う司法試験合格者数の増加により、2006年以降、弁護士の数が増加していっています。

弁護士数は、新司法試験が始まった2006年当時は日本全体で約2万2000人でしたが、2019年では約4万1000人と、ほぼ倍増しています。

このような弁護士数が増加していっている状況から、仕事がない弁護士もいるのではないか、弁護士の収入が全体的に下がってきているのではないかと言われるようになりました。

確かに、弁護士数が増加したことで統計上の全体としての収入が下がったという面はあるかもしれません。

しかし、それでも大多数の弁護士が日々忙しくしており、収入も同年代の世間一般の方よりは多く得られており、実際に働いている弁護士の感覚としては、仕事がないとか収入が減ったという感覚はありません

弁護士の数が増えたらからと言って仕事がない人が増えたというわけではなく、仕事がなく収入が低い弁護士も一部にはいるというだけだと思います。

 

事件数の減少

上記の司法制度改革は、潜在的な法的ニーズに応えるためという目的も含まれています。

つまり、これまで事件化されていなかった案件についても、弁護士数が増加することにより弁護士に依頼しやすくなり、これまで事件化されていなかった事案も訴訟等へと事件化され、結果、弁護士数が増加してもそれに見合うだけのニーズがあるだろというのが法務省の見込みでした。

しかし、ある調査によりますと、弁護士の受任件数について、平成21年(2009年)ころの年間約25万件がピークで、その後は減少傾向にあり、2015年には約15万件にまで減少したというデータもあります。

こうした法務省の見込み違いから、弁護士数の増加に対して事件の増加はなくむしろ減少傾向にあり、その結果、弁護士には仕事がない、収入も減っていると言われることがあります。

ただ、このデータは、訴訟として事件されたもの等をベースにしているにすぎません。弁護士の業務には、訴訟になる前に示談交渉等で解決するものもあり、単純に訴訟化された事件数だけをみても参考にはなりません。

加えて、近年では、各企業の法務部門等において弁護士を雇用したり(インハウスローヤーと呼ばれたりします)、また、最近ではコンプライアンス遵守の思想から、会社等の法人で何らかの問題が起きた時は第三者委員会を設置しますが、そのような第三者員会の構成員には弁護士が含まれていることが多いです。

このような社会のニーズにより、今までになかった弁護士の需要が拡大しており、単純な訴訟事件の数だけでは弁護士の需要が減少したとは言えません。

 

報酬の自由化

弁護士報酬は、かつて一律でした。

弁護士報酬とは、法律相談の相談料、示談・訴訟を含めた法律案件の事件の着手金、事件終了後の報酬のことですが、かつては、どの弁護士であっても、日本弁護士連合会(日弁連)が定める報酬規程に則った金額しか受け取ってはいけないこととされていました。

しかし、先の司法制度改革に伴い、弁護士報酬を自由化しようという動きが出て、平成16年(2004年)、弁護士報酬は自由化されました。

弁護士報酬が自由化されたことにより、弁護士各自が自由に料金設定できるようになりました。テレビコマーシャル等でも「着手金無料」などとうたっている法律事務所もありますね。

この報酬自由化により、弁護士間で価格競争が起き、全体として、弁護士の収入が下がったなどと言われることがあります。

しかし、現在でも、ほとんどの法律事務所は、かつての日弁連の報酬基準を参照して料金設定しており、例えば、着手金無料と謳っている事務所でも、その分の報酬額を上げるなどしていて、最終的な着手金・報酬の合計額は旧日弁連基準と大差ないものとなっています。

したがって、実際に執務している弁護士の感覚からしますと、弁護士報酬を自由化したことで価格競争が起きているという実感はありません。

 

法テラス経由の事件の増加

法テラス(日本司法支援センター)とは、2006年に国が設立した法務省所管の法人であり、総合法律支援に関する事業を迅速・適切に行うことを目的としています。

法テラス経由の事件とは、経済的に苦しい依頼者が弁護士に事件を依頼する際に、法テラスが弁護士への着手金・報酬を立て替えて支払い、依頼者は法テラスに分割で支払っていくものを指します。

この法テラス経由の事件について、弁護士への着手金・報酬は法テラスが決定しますが、その金額は、旧弁護士会報酬規程の概ね3分の2程度となっています。

こうした法テラス経由の事件が増加することにより、弁護士が得る着手金、報酬が下がり、その結果、弁護士の収入が減ったと言われることがあります。

しかし、法テラス制度は、経済的困窮等、これまで弁護士を利用できなかった方に弁護士に依頼する途を開くものであり、かえって弁護士の業務拡大に貢献するものと言えます。

したがって、法テラス経由の事件が増えたことで弁護士の収入が減ったということはありません。

 

1‐5.過払金バブルの終焉

 過払金とは、消費者金融等から借金して月々返済をしていた人が、実は利息制限法の利率以上の割合による金員を返済しており、利息制限法に則って計算すれば返し過ぎ(払い過ぎ)になっていることから、その払い過ぎの部分を返還を求めるというものです。

これは、かつては利息制限法と貸金業法とで定める上限利率が異なっていたことにより生じたものです。

弁護士がこの過払金請求を代理することで、弁護士会には一時過払金バブルというものが起きました。

というのも、過払金は、借入の日付、金額と返済の日付、金額をソフトに入力することで自動的に算定されます。こうした作業は事務員が行うことができ、流れ作業で簡単に金額が算定できます。

そうして、弁護士は代理人として返金請求を行い、返金された額の20%程度を報酬として受領します。こうした過払金請求の増加により弁護士業界では過払金バブルというものが起き、過払金を専門に扱う法律事務所等も現れました。

しかし、平成22年(2010年)に、利息制限法と貸金業法の利率が統一されたことにより、同年以後の返済分については過払金が生じないこととなりました。

これにより、過払金請求の事件数、請求金額は年々減ってきています。過払金の消滅時効は最終返済から10年ですので、現在ではほとんど過払金請求の事案はなくなったと言っていいでしょう。

このような過払金請求事件が減ったことにより弁護士の収入が減ったと言われたりします。

しかし、これは、利息制限法と貸金業法の違いという社会のひずみによって生じた特需的なものであり、過払金請求が減少してもそれは不思議なことではありませんし、そのことをもって弁護士の仕事がなくなったということにはつながりません。

 

結論:弁護士は稼げる

確かに、昔の弁護士と比較しますと、弁護士の数の増加や過払金バブルの終焉等により、相対的には弁護士の収入は減ったと言えるかもしれません。

しかし、世間一般の同年代の方々と比較しますと、まだまだ弁護士は稼げる仕事と言えます。

弁護士は、各都道府県ごとの弁護士会に所属しており(東京都だけは弁護士会が3つに分かれています)、弁護士会に登録していると弁護士会から法律相談、刑事国選事件等の仕事が回ってきます。

また、破産管財人や後見人等、裁判所から選任される事案もあります。そのほかに自身が受任する事件などを含めると、仕事がなくて困窮している弁護士というのは少ないように思います。

多くの弁護士は日々仕事に追われています。

こうした弁護士の実態からしますと、生活に困窮している弁護士というのはごくわずかだと考えられます。

 

弁護士の将来性

以上から、弁護士の将来性はまだまだあると言えます。

弁護士業務は法律業務全般です。

社会で起きているほとんどの出来事には法律が関連しています。法律が関連しているところには常に弁護士としての業務が発生する可能性があります。

先に挙げましたような、かつての「過払金バブル」が、今後は別の分野で起きる可能性も十分にあります。

どこの分野でどのようなニーズが発生するかは、弁護士各人の努力次第だと考えます。弁護士業務自体が先細りで斜陽産業であるということは決してありません。

社会において、発見されていない弁護士の潜在ニーズはまだまだ在るものと感じます。

以下の記事では、弁護士の将来性について詳しく書かれているのであわせてご覧ください。

弁護士の平均年収

2018年に日弁連が全国の弁護士を対象に行った調査によると、新司法試験制度が始まった2006年当時の弁護士の平均所得は年収1,748万円でしたが、2018年の弁護士の平均所得は959万円と、半分近くにまで減っています。

この平均所得を見てみても、低くなったとはいえ、他の業種と比較すれば高いことに変わりありません。

また、この所得は、あくまでアンケートであり、事務所の賃料や弁護士会費などの経費を控除した金額であるものも含まれており、弁護士所得の実態としてはもう少し高いものと言えるでしょう。

 

将来性のある弁護士の勤務先や事務所

ここからは、将来性のある弁護士の勤務先や事務所についてご紹介します。

弁護士は、多種多様であり、いろいろな業務を行えます。

ご自身がどこの法律事務所に就職するかも自由ですし、就職せずに独立することもできますし、企業内弁護士となることもできます。

そうした中で、もし法律事務所への就職や、企業内弁護士をお考えであれば、以下のような視点で探してみるというのも一つの方法と考えます。

 

AIや電子化を積極的に導入している法律事務所

弁護士の業務は専ら文書作成ということになりますが、こうした作業にはパソコンは今では欠かせないものになっています。

かつてのいわゆる「町弁」といわれる法律事務所では、パソコンを導入せず手書きで文書作成しているところもありましたが、現在では皆無といえます。

司法制度改革の中で、裁判所の手続きも電子化していっています。

現状では、訴訟等では電話会議が導入されているだけですが、今後は、オンラインによる期日開催や、電子データによる訴状、証拠の提出なども導入されていく予定です。

法律相談等も今後はオンラインでも行われるようになっていくでしょう。

現在の社会の動きからすると、AIの活用や電子化への対応というのは不可欠です。こうした社会の動きに柔軟に対応できる事務所は、将来性がある法律事務所といえます。

 

弁護士の採用活動を積極的に行っている企業

AIの活用や電子化とは真逆と言えるかもしれませんが、やはり契約事等の最終的なところでは、人と人の人間関係が不可欠です。

AIの活用などにより、これまで以上に人と人のつながりは重要になってきます。SNSの活用も良い例です。

こうした人と人とを結びつける業務というのはこれからも社会において必要とされるものと思われます。そうして、社会において必要とされるということは、当然、法律が関わってきますので、そこに弁護士としての業務が発生する可能性は十分にあります。

 

仕事がない弁護士の対策

弁護士の中には、仕事がない人もいるでしょう。

ただ、弁護士業務自体がないわけではありません。

自身の活動領域を広めていけば、自ずと仕事に結びつくはずです。

そこで以下では、具体的な仕事獲得の方法をご紹介します。

 

弁護士会の活動への参加

まずは、弁護士会の活動に積極的に参加することでしょう。

経験のない、あるいは乏しい分野について弁護士会がOJT(弁護士会が選任する先輩弁護士と一緒に事件を処理したりする制度です)を行っていたり、研修を実施していたりします。

また、弁護士会では一定の専門分野ごとに委員会を設けて委員会活動を行っています。

そうした委員会活動に積極的に参加して、先輩弁護士の話を聞いたり、繋がりが出来てくれば、委員会の弁護士と共同で事件を受任したりできます。

そうしてOJTや、研修、委員会活動に参加する中で、他の弁護士がどのようなことをして、どのような書面を書いているのか、見て、学んで、身に着けることで腕を磨くこともできます。

 

さまざまな交流・集まりに参加

全く知らない弁護士に事件を依頼する人は少ないです。

いろいろな人とつながりを持っておくことが、仕事獲得につながると言えます。

そのためには積極的に、さまざまな方が集まりうる「交流会なるもの」に参加しましょう。

例えば異業種交流会や、起業家の集まりです。

私の周りでは、日本青年会議所(JC)に参加している弁護士も多いです。

できれば1回限りの会ではなく、月に1回や半年に1回等の定期的に行われている会に参加するようにしましょう。

このような交流から依頼につながるケースは少なくありません。

ネットワークを広げるのも弁護士としての立派な仕事のうちの一つなので、積極的に交流を行いましょう。

 

業務内容の拡大

弁護士は、資格上は、税理士、司法書士、行政書士を兼ねています。

弁護士は法律業務全般を扱うことができるのです。ですので、既存の弁護士業務に捉われる必要はありません。

当然、他業の業務を何らの経験もないまま取り扱うことは危険です。

十分な法的サービスを提供できない危険性があります。

ですので、弁護士が着手できる範囲内の分野については、とことん勉強しましょう。

ご自身が興味あることならば何でも良いと思います。

深く学んでいけば新しいニーズが見えてくることがあります。

既存の分野(例えば医療訴訟や、交通事故訴訟等)でも深く勉強していけば、専門性が高まり、そのことがキャリアとして評価されて仕事獲得につながる可能性も十分あります。

 

稼げる弁護士になる方法やキャリアの積み方

最後に、稼げる弁護士になるための方法やキャリアの積み方について解説します。

以下を踏まえることで、仕事がないような状況には陥らなくなるでしょう。

 

まずは事件を誠実に処理すること

弁護士業界では、「依頼者に勝る紹介者はいない」と言われたりします。今、受任している事件を誠実に処理し、依頼者が満足されれば、新たに何か起きた時にまた依頼してくれますし、新しい依頼者を紹介されたりします。

自身のキャリアアップとしては、上を見るだけではなく、自分が取り組んでいる事件を誠実に処理することを何よりも重要視しましょう。

 

勉強を重ねる

弁護士の業務は多岐にわたります。今現在は弁護士の仕事とされていないことも新たに弁護士業務へとつながる可能性もあります。

そのためには、日々勉強することであると考えます。法律図書や弁護士会の研修を受けて自身の専門性を高めていくというのも一つの方法でしょうし、一見、法律関係のないことでも学んでみると、法律が関連してくるということもあるでしょう。

他業士の仕事を学ぶというのも方法の一つです。

目標を定めて勉強していくことが将来の仕事獲得につながります。

 

高年収の法律事務所に入職する

五大法律事務所外資系法律事務所企業法務系の法律事務所は、高年収が実現できる事務所です。

入職難易度は高いですが、一度これらの事務所でキャリアを積むことで、弁護士としての市場価値が大きく向上します。まず仕事がなくなることはないでしょう。

企業内弁護士(インハウスローヤー)にキャリアチェンジする

企業内弁護士(インハウスローヤー)という道もあります。

所属先が法律事務所ではなく「企業」になるため、安定して仕事を引き受けることができます。

もちろん勤め先の企業の経営状況にはよりますが、安定・選択肢の多さという面では、企業ならではのメリットが多いと言えます。

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弁護士Mさん(12年目)
この記事を書いた人
弁護士Mさん(12年目)
登録12年目の弁護士(大阪弁護士会所属)。大阪大学法学部卒業後、一般民事事件を主に取り扱う法律事務所に勤務。弁護士業務に従事しつつ、法的内容を扱う記事監修も行っている。