五大法律事務所の一覧
法律事務所は、日本に1万7000件以上あります。
その中で、弁護士数が多い事務所の上位5位が「五大法律事務所」と言われています。
- 西村あさひ法律事務所
- アンダーソン・毛利・友常法律事務所
- 長島・大島・常松法律事務所
- TMI総合法律事務所
- 森・濱田松本法律事務所
弁護士数が1名、2名程度の小規模事務所が多い中、大手法律事務所はどの事務所も弁護士人数が400人以上です。
西村あさひ法律事務所
西村あさひ法律事務所は、598名の弁護士が所属している国内最大手事務所。
国内拠点は東京・大阪・名古屋・福岡の4拠点で、海外にはバンコク・北京・上海などの計11拠点展開しています。
銀行・金融、不動産取引、コーポレート、M&Aが得意領域で、知的財産法・情報法、事業再生・倒産と幅広く扱っています。
中途採用は随時おこなっており、積極的に採用活動をおこなっています。
現在では、コーポレート・IT分野・知財業務の経験や関心がある人物を求めているようです。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、488名の弁護士を抱えている大手事務所です。
長年、日本のリーディング・ファームとして活躍しています。
国内拠点は、東京・大阪・名古屋の3拠点で、海外には北京・上海・シンガポールを含める7拠点を展開。
銀行・金融、キャピタルマーケット、危機管理、不祥事対応などが得意な領域です。
国際・国内企業法務分野で、多数の受賞歴を有しています。
風通しの良い職場環境で、フラット・フランクな組織体制を採用。
専門分野ごとに組織を分けるのではなく、様々な業務分野を経験できる体制にしています。
弁護士の中途採用も、積極的におこなっています。
長島・大野・常松法律事務所
長島・大島・常松法律事務所は、484名の弁護士が所属している大手事務所です。
東京オフィスを中心に、ニューヨーク・シンガポール・バンコクを含めた7拠点です。
国際案件が多く、銀行・金融、キャピタルマーケットが得意領域で、大型案件を多数抱えています。
弁護士・スタッフを案件ごとに配置し、職種ごとの能力を発揮できるチームをつくっています。
また、パートナーが若手アソシエイトのOJTをおこないます。
育成グループ制度があるので、しっかり学びたい方におすすめの事務所です。
弁護士の中途採用も、積極的におこなっています。
TMI総合法律事務所
TMI総合法律事務所は、477名の弁護士が所属している大手事務所です。
国内には、東京・名古屋・大阪・京都・神戸・福岡の6拠点と上海・シンガポール・シリコンバレーを含む10拠点を展開しています。
外国大手法律事務所と業務提供をおこない、国外案件を積極的に対応しています。
特許・商標・著作権と知的財産領域を得意とし、弁護士だけではなく弁理士も多く在籍しています。
採用活動に活発で、中でも司法修習終了後4年目までの若手弁護士を積極的に採用しております。
森・濱田松本法律事務所
森・濱田松本法律事務所は、463名の弁護士が在籍しています。
国内には、東京・大阪・名古屋・福岡の4拠点、海外には上海・北京・シンガポールを含む7拠点を展開しています。
銀行・金融、キャピタルマーケット、M&A・コーポレートが得意領域。受賞歴が多く、外部からの評価が高い事務所です。
研修・研修プログラムがしっかりしており、若手弁護士の教育体制が充実しています。随時、弁護士有資格者を募集しており、国内だけではなく諸外国弁護士有資格者も募集しております。
五大法律事務所の平均年収・初任給
五大法律事務所の平均年収は以下の通りです。
入職後の年数 | 平均年収 |
1年目 | 1,000万円〜1,200万円 |
3年目 | 1,300万円〜1,500万円 |
5年目 | 1,600万円〜2,000万円以上 |
基本的に、初任給で年収1,000万円を超えます。
五大法律事務所ではない事務所の場合は、初任給の平均年収は大体500万円〜600万円となるので、五大法律事務所は給与水準がかなり高いことが分かります。
また、役職がつくとさらに年収が上がります。以下の表は、役職がついた場合の平均年収です。
役職 | 平均年収 |
---|---|
パートナー | 数千万円~数億円 |
シニアアソシエイト | 1,600万円~3,000万円 |
ジュニアアソシエイト | 1,100万円~1,500万円 |
五大法律事務所で働く「メリット」
大手弁護士事務所で働くと、小・中規模事務所と比べどんなメリットやデメリットがあるのかを解説していきます。
年収水準が高い
大手法律事務所で働く最大のメリットは、年収です。
弁護士1年目の平均年収は約550万円程度ですが、五大法律事務所だけでいえば弁護士1年目でも年収は1,000万円以上。
約2倍近い収入を得ることができるため、しっかり稼ぎたい弁護士は大手法律事務所で働くことを希望します。
経歴として一目置かれる
弁護士キャリアを築く上で「大手法律事務所出身者」は一目置かれる存在です。
そのため、入れるのならば五大法律事務所を経験しておくと、弁護士として箔がつきます。
また、転職の際に大手法律事務所出身者であれば、採用側に好印象を与えられます。
転職・独立、どの道でキャリアを築くにしろ、優遇されることが多いです。
国内、国外の様々な分野の業務を経験できる
どの大手弁護士事務所も、国内だけではなく国外案件も多く抱えています。
海外ネットワークを強化しており、様々な国と取引があります。
小規模、中規模では扱う機会が少ない大きな案件にも携わることができるのが魅力です。
多くの弁護士と切磋琢磨してスキルを磨ける
五大法律事務所の弁護士数は400名越えです。
そのため、様々なタイプの弁護士と仕事をすることができます。
特に大きな案件を取り扱う際は、チームで取り組むことがほとんどで、刺激をもらいながらスキルを磨けます。
デメリット
デメリットは「ワークライフバランス」が取れないことです。
とにかく五大法律事務所は忙しい職場として有名です。
深夜まで仕事をすることが連日続くという話をよく聞きます。
そのため、ワークライフバランスを大切にしたい方には不向きな職場です。
就職・転職するために必要なスキルや条件
就職・転職するためにはどのようなスキルが必要なのかを下記で解説します。
ちなみに、ここから解説する項目はほんの一部の条件です。より具体的に「五大へ転職できるポテンシャルがあるかどうか」を診断するためには、弁護士専門の転職エージェントに相談することをおすすめします。
あなたのご経歴やスキルセットをおうかがいしながら、五大法律事務所へ転職するための条件や診断を行わせていただきます。
高学歴であること
大手法律事務所へするためには、出身大学がある程度大切になります。
なぜなら大手弁護士事務所には基本的に、名の知れた大学出身者が多く在籍しているからです。
- 東京大学院
- 慶応義塾大学院
- 早稲田大学院
特に上記の3大学院出身者が多く、学歴が選考に関わっていることがわかります。
司法試験の順位が高いこと
弁護士事務所は採用する際に「司法試験の順位」をチェックすることがありますが、大手法律事務所は特にその傾向が強いです。
理想の順位は100位以内で、学歴や司法試験の順位で地頭がいい人物を求めています。
そのため、司法試験の順位に自信があれば、アピール材料としては申し分ないでしょう。
以下の記事では「司法試験の成績や順位が転職活動に与える影響」について詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
語学スキルが豊富であること
五大法律事務所で働くために、語学スキルは必須です。
大手法律事務所はほとんどが、国外の案件を扱っているためです。
語学スキルとは、ビジネスレベルの英語スキルのことです。
TOEIC800点以上程度の英語力である人物を求めています。
また、英語だけでなく中国語などその他の言語スキルがあれば、更に優遇されます。
タフであること・体力があること
五大法律事務所は多忙です。
そのため、タフで体力がある方が大手法律事務所には向いています。
実際、五大法律事務所から転職を考えて相談に来られる求職者に多いのは「体力がもたなくなってきた。体力がついていかない。」との理由。
年収や、業務の幅と他の事務所ではありえない魅力がありますが、業務の多さを大変と感じる弁護士がいるのも事実です。
転職エージェントを利用すると五大への転職が有利になる理由
五大法律事務所へ就職・転職を成功させたい場合は、転職エージェントの活用をおすすめします。なぜなら、転職エージェントを活用すると以下のメリットを受けられるからです。
- 五大法律事務所に受かるための面接対策を徹底できる
- 五大法律事務所に転職できるかどうか診断が受けられる
- 五大法律事務所と類似した求人紹介を受けられる
求人応募は、1つの事務所につき原則1度のみなので、入念な準備・対策を行って応募した方が良いです。また、自分で求人に直接応募するよりも、転職エージェントを経由して応募した方が内定が出やすいというのも大きいです。
転職エージェントを通して応募すると内定が出やすくなる理由は、以下の記事に書かれています。