弁理士

2022年調査|労働時間1日10時間超えの弁理士、約半数が「企業」に所属

by LEGAL JOB MAGAZINE 編集部

編集部

こんにちは。弁理士の転職エージェント「リーガルジョブボード」です。

本記事では「現役弁理士64名の勤務実態データ」を公開いたします。具体的には

  • 1日の労働時間(残業時間)
  • 年収満足度
  • 勤務年数
  • 所属先の職場
  • 担当技術分野

などなど、あらゆるデータを掲載しています。

現役弁理士の方は、所属や担当分野など自身の条件と照らし合わせていただき、日々の勤務実態を振り返るきっかけとしていただけますと幸いです。

弁理士を目指している方は、リアルな勤務実態を把握することで、就業後のイメージが掴みやすくなるはずです。ぜひ参考になさってください。

※本調査は2022年2月に「リーガルジョブボード」の弁理士会員(20~60代の男女)を対象に行い、64名から得た回答を掲載しています。

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調査概要

「弁理士の年収や経歴に関する匿名調査」として、オンライン上でアンケートを実施しました。

対象者リーガルジョブボード会員(※弁理士としての実務経験1年以上)
調査期間2022年1月21日~2022年2月3日
回答者数64名(20~60代、男性49名・女性15名)
実施者リーガルジョブマガジン編集部

回答者の年齢・性別・勤務年数など

はじめに、回答者の弁理士64名の年齢・性別、勤務年数などを見ていきます。

年齢・性別の内訳

今回は20~60代の男女から回答が得られ、30代が26名で最も多かったです。

【2022年調査】弁理士64名の年齢・性別の内訳

それ以外は、20代が4名、40代が16名、50代が10名、60代が8名となっています。

弁理士としての勤務年数

弁理士としての勤務年数は1~3年目が最多で、ちょうど全体の半数でした。

【2022年調査】弁理士としての勤務年数

回答者のうち30人が20~30代のため、勤務年数1~3年目が多くなったと考えられます。
では、弁理士として働き始めた年齢はどうでしょうか?

弁理士として働き始めた年齢

今回の調査では、29歳から弁理士として働き始めた人が6人と最多でした。

【2022年調査】弁理士として働き始めた年齢

全体を見てみると、35歳までに弁理士として働き始めた人が合計38人で、かなり多くなっています。
今回の調査では、50歳から弁理士として働き始めたという方も4人いました。

所属の内訳

回答者の半数以上が、所属先は特許事務所と回答しました。

【2022年調査】弁理士64名の所属の内訳

次いで、企業(知財部・法務部)が約3割、独立開業とその他が合わせて約1割です。
多くの弁理士の方が、特許事務所に所属していることが分かりました。

担当分野・出身系統の内訳

弁理士64名の担当分野の内訳は以下の通りです。バラつきがありますが、今回の調査では、ソフトウェア・化学・機械工学・商標が多かったです。

【2022年調査】弁理士64名の担当分野の内訳

該当者数は、ソフトウェアが11名、化学が12名、機械工学が11人、商標が13名です。
では、担当分野に関係していると思われる「出身系統」の内訳はどうでしょうか?

出身系統の内訳

理系出身が約8割で49名、文系出身が約2割で15名という結果でした。

【2022年調査】弁理士64名の出身系統の内訳

ちなみに、弁理士試験の受験者・合格者の出身系統も、理系出身が7~8割を占め、文系出身は1~2割程度となっています。
次に、出身系統別の担当分野の内訳をまとめました。

出身系統別 担当分野の内訳

文系出身者の担当分野は商標が最多で、理系出身者は化学・機械工学・ソフトウェアが特に多いです。

【2022年調査】出身系統別 弁理士の担当分野

文系出身者にもソフトウェアや機械工学を担当分野とする方がいる一方で、出身系統が担当分野に大きく関係していることがうかがえる結果となりました。

1日の総労働時間に見られる傾向

1日の総労働時間の内訳のほか、所属や役職の有無に応じた傾向も探りました。

1日の総労働時間の内訳

1日の総労働時間で最も多かったのは8時間で、該当者は19名。

※1日の総労働時間には、時間外労働も含みます。

今回の調査では、総労働時間の最小は5時間・最大は14時間でした。
8時間・9時間の該当者が特に多いですが、10時間以上も9名という結果に。

「今の長時間労働をこれからも続けられるか不安」「ワークライフバランスのために労働時間を減らしたい」といった方は、ぜひ一度「リーガルジョブボード」の弁理士専任エージェントにご相談ください。ご希望に沿った求人のご紹介も可能です。

所属別 1日の総労働時間

特許事務所・企業ともに、1日の総労働時間は8時間・9時間という人が多くなりました。

【2022年調査】所属別 弁理士の労働時間

※1日の総労働時間には、時間外労働も含みます。

所属別の特徴として、

  • 特許事務所:8時間が最も多い。8~9時間の該当者が計30人で、全体の約7割。
  • 企業:8時間・9時間・10時間以上が多い。7時間以下の該当者なし。
  • 独立開業:10時間以上が2人。だが、7時間以下も1人いる。

などが分かります。

役職の有無別 1日の総労働時間

「役職あり」と回答した人のうち、約半数が10時間以上に該当しています。

【2022年調査】役職の有無別 弁理士の労働時間

※1日の総労働時間には、時間外労働も含みます。

「役職なし」では、全体に見られた傾向と同じく、8時間・9時間の該当者が多数。
母数は異なりますが、「役職なし」よりも「役職あり」で、1日の総労働時間が10時間以上の人の割合がかなり大きくなっています。

年収満足度に見られる傾向

年収満足度の内訳のほか、所属や担当分野、役職の有無に応じた傾向も探りました。

年収満足度の内訳

「現状の年収に満足していますか?」という問いに対して、全体の約4割が「どちらともいえない」と回答。

【2022年調査】弁理士64名の年収満足度の内訳

「満足」もしくは「不満」と回答した人は同数で、

  • 「とても満足」もしくは「満足」:計20人
  • 「どちらともいえない」:26人
  • 「とても不満」もしくは「不満」:計18人

となりました。

年収満足度の傾向を探るため、ここからは条件別に見ていきます。

所属別 年収満足度

特許事務所は「どちらともいえない」が約半数を占めました。

※「満足」には「とても満足」を、「不満」には「とても不満」を含む

所属別の特徴として、

  • 特許事務所:「どちらともいえない」が約半数。「不満」が最も少ない。
  • 企業:「不満」が約半数。次いで「満足」、「どちらともいえない」の順。
  • 独立開業:「不満」が半数。「満足」と「どちらともいえない」が同数。

などが分かります。

担当分野別 年収満足度

担当分野ごとに大きな差異は見られませんでしたが、化学において「不満」の割合が少し高くなっています。

※ 整合性を高めるため、回答者が5名以上いる分野のみでグラフを作成
※「満足」には「とても満足」を、「不満」には「とても不満」を含む

化学以外の担当分野では、「満足」「どちらともいえない」「不満」の割合がほとんど同じでした。

役職の有無別 年収満足度

「役職なし」に比べて、「役職あり」で「不満」の割合が大きくなりました。

【2022年調査】役職の有無別 弁理士の年収満足度
※「満足」には「とても満足」を、「不満」には「とても不満」を含む

役職なしでは「どちらともいえない」が最多で、「満足」と「不満」が半々でした。一方、役職ありでは「不満」が半数を超えています。

このことから、役職者としての労力・労働時間に対して、思うような報酬を得られていないと感じる方が一定数いると思われます。

また、役職ありの13人中10人は40~60代であり、同世代と比較した際に年収に不満を感じている可能性があります。

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士業専門の業界・転職情報メディア「LEGAL JOB MAGAZINE」の編集部。 司法書士や弁護士、弁理士、知財職種、土地家屋調査士、測量士などの職種を取り扱っています。 転職・就職ノウハウと業界知識に関する記事を中心に、インタビュー記事やイベント情報も発信します。

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