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弁理士 特許技術者 特許事務所と企業知財部の違いや特徴|転職先の選び方も解説

特許事務所と企業知財部の違いや特徴|転職先の選び方も解説

2020年10月19日

こんにちは。

知財専門の転職エージェント「リーガルジョブボード」の三島です。

今回は、特許事務所と企業知財部の違い」について解説します

特許事務所と企業知財部のどちらで働こうか悩んでいる弁理士や特許技術者・知財の方は、本記事をお読みください。

本記事ではそれぞれの

  • 業務内容の違い
  • 働き方の違い
  • 得られるスキルの違い
  • 収入の違い
  • 福利厚生の違い

についてまとめています。

本記事で紹介する違いはあくまで「そのような傾向にある」というお話で、実際は事務所や会社によって細かく異なるので注意しましょう。

※特許事務所や企業知財部の求人紹介を受けたい方はこちらからご連絡ください。

株式会社WILLCO 三島善太
この記事を書いた人
株式会社WILLCO 三島善太
弁理士・特許技術者や知財・特許系職種を専門としたリーガルジョブボード(株式会社WILLCO)の転職エージェント。転職実績は業界最大級。求人票には載っていない事務所の評判や口コミのお伝え、選考対策やキャリアステップのご相談など多岐に渡り転職支援をさせていただいていますので、お気軽にご連絡ください。

違い①業務内容やコミュニケーションの取り方に違いがある

まずは、特許事務所と企業知財部の「業務内容の違い」からまとめます。

 

特許事務所の業務内容

特許事務所の主な業務内容は以下です。

  • 特許明細書の作成
  • 拒絶理由通知対応(意見書・補正書の作成)
  • 特許調査
  • 鑑定
  • 異議申立て、無効審判
  • 訴訟
  • 事務処理
  • 営業

特許事務所の6〜7割は、以上を主な業務としています。

他の3〜4割の事務所は、発明の発掘に関わる一部の業務をしたり、企業知財部と似たような業務をするところもあります。

特に「明細書作成」と「拒絶理由通知対応」の業務がかなりのウェイトを占めますが、事務所の規模によっては分業しているところもあるため、担当によって業務内容が変わってきます。

また、特許事務所は未経験の人が入りやすく、一からの教育体制が整っている場合が多いです。

 

企業知財部の業務内容

一方で、企業知財部の主な業務内容は以下です。

  • 発明の発掘
  • 特許明細書の作成、確認
  • 拒絶理由通知応答書類の作成、確認
  • 他社特許の調査、分析
  • 係争対応
  • 知財関連の契約書の作成
  • 知財戦略の策定や予算管理などの企画業務

会社の規模によって働く内容はかなり異なりますが、一般的には上記に挙げたような業務内容です。

知財部は基本的に、自社の製品・サービス・技術などの知財関係を取り扱うことが多いです。

また、企業が知財部を設けるのは「特許にまつわる仕事をスピーディーに行うため」であることがほとんどなので、「即戦力になる経験者」の人材を募集していることが多いです。

 

組織内のコミュニケーションの取り方が違う

特許事務所と企業知財部、それぞれの業務内容をまとめると以下です。

  • 特許事務所:各クライアント(会社)がまとめてきたものを元に、事務所で話し合って出願
  • 企業知財部:エンジニアや開発と一から話し合って書類などの作成

それぞれにおける大きな違いは、「コミュニケーションの取り方」にあります。

特許事務所の場合、特に小さい規模の事務所ですと「1人で最初から最後まで担当することが多い」ですが、知財部の場合はチーム間との連携が発生します。特に大きい企業の知財部ですと、50〜100人のエンジニアを相手に対応することになったりすることもあり、かなり複雑になります。

特許事務所は、もちろんクライアント対応はあるものの、基本的には「黙々と一人で業務に取り組む」ことが多いです。知財部はその逆です。

 

違い②働き方に違いがある

業務だけでなく、働き方にもかなりの違いがあります。

というより、そもそもとして、「大規模の特許事務所」と「小規模の特許事務所」でも違いがありますし、「大手の企業知財部」「中小の企業知財部」それぞれにおいても違いがあります。

そこで以下では、「特許事務所」と「企業知財部」の違いに加え、「それぞれの規模による違い」にも触れます。

 

特許事務所の働き方の違い(規模別)

まず、規模の大きい特許事務所は、国内出願、海外出願、技術分野(科学、機械など)、クライアントの種類によってチームごとに分けられている場合が多いです。

かつ、担当チーム内でもさらに分業されていることもあり、自分の得意分野に着手できる可能性があるのが強みです。

 

一方で規模の小さい特許事務所は、基本的に「1案件を1人で対応」します。

あらゆる分野を、国内外問わず対応しなければならないので、専門分野だけでなく顧客対応なども含めた総合的なスキルが上がるのが特徴です。

 

まとめると、特許事務所は規模によって「分業制」もしくは「一貫性」になる点が大きな違いです。

以下の記事では、特許事務所の大小・中小による特徴の違いについて詳しくまとめていますので、あわせてご覧ください。

企業知財部の働き方の違い(規模別)

続いて、企業知財部の働き方の違いを規模別に解説します。

まず大企業や大手の企業知財部の場合、分業制を採用していることがほとんどです。

例えば「明細書作成の役割を担う人」「権利化の分野を専門で行う人」など。

一方で中小の企業知財部は分業で業務を行わず、1~3人程度の弁理士と一緒に業務を進めることが多いです。技術数などもそこまで多いところは少なく、立ち上げたばかりの場合もあるため、自由なイメージです。

 

違い②大規模か小規模かによって働き方が変わる

働き方においては、特許事務所も企業知財部も違いはありません。

どちらかと言うと、規模によって働き方に違いが出てきます。

大きい規模は分業制で業務にあたることが多く、小さい規模ですと一人や少人数での対応がメインとなります。

自己分析をしながら、自分はどのスタイルが適性なのか見極め、職場選びの参考にできると良いですね。

もし「特許事務所と企業知財部、どちらで働くのが向いているのか分からない」「大手と中小、どちらが自分にとって働きやすいのか知りたい」とお悩みの場合は、弊社リーガルジョブボードにご相談いただければ、マンツーマンでの相談会を開かせていただきます。

※お急ぎの方は、右下のチャットやお電話(03-6774-8902)、または以下のLINEからでも承ります。

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違い③キャリアステップや得られるスキルに違いがある

特許事務所か企業知財部によって、キャリアステップや得られるスキルは変わります。

企業の大小でできることはそこまで大きな違いはないのですが、事務所の大小だと働き方の体制によってかなり違うため注意しましょう。

 

特許事務所は「明細書作成のスキルが身に付く」

一般的な企業であれば、明細書作成の業務はほぼないでしょう。

そのような実務的な作業は特許事務所に外注するため、文章を作ったり、特許庁に出したりする業務は特許事務所が行います。

どのように文章を書いたら特許が取りやすいかなど、明細書作成能力がつくのは特許事務所です。

出願書類をさばいたり、実務的な業務をこなすことがご自身の理想とする働き方に合っていれば、特許事務所を推奨します。

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企業知財部は「発明発掘のスキルが身に付く」

一部の事務所では扱っていますが、発明発掘は特許出願をする前の段階で行うもので、企業知財部が主に行います。

社内のサービスや商品をどうやって権利化するか、どうやって他社で使われないよう独占していけるのかといった「知財戦略」に興味がある場合は、企業知財部をおすすめします。

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違い④年収や給与体制に違いがある

特許事務所と企業知財部における4つ目の違いは「年収」です。

特許事務所は「実力に応じて評価される」傾向がある一方で、企業知財部は「年功序列による昇給」が主に取り入れられています。

特許事務所は成果主義で、企業知財部は年功序列というわけです。

序盤からどんどん年収を上げたいという方は特許事務所を、安定を求める方は企業知財部を推奨します。

それぞれの年収については以下で詳しく解説するので、ご覧ください。

 

特許事務所の年収

特許事務所にはいろんな職種が存在するので、職種によって年収は異なります。

ここでは「弁理士」を例にしましょう。

弁理士の年収は、スキルや実務経験によって変動しますが600万円〜1,000万円の間を推移します。

ほとんどの事務所の評価制度は「売り上げ連動性」で、「出願件数をどれだけ対応したか」によって決まります。

業界では、売り上げの30%が年収になると言われていますが、事務所によっては40%支給率のところもあります。

また、国内出願より海外出願の方が単価が高いため、海外のものを主に受け持つと年収が高くなりやすいです。

その理由として、国内(特に大手)の場合、コスト削減のために依頼の予算を低くする傾向があり、逆に海外の場合、ライバルが国外の大企業である可能性があるため金額を上げるからです。

中には、国内でもベンチャー企業はお金をかけて特許を取りたい会社が多いため、大金を叩くところもあります。

特許事務所の年収や知財職種ごとにおける年収は以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

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企業知財部の年収

企業知財部の場合、その他総合職、一般職と同様のシステムで給料が上がっていきます。

専門職であるため、同じ会社の営業マンに比べると年収は高めかもしれないですが、特許事務所ほどではないでしょう

規模の大きいところの方が年功序列で上がっていくケースが多く、安定を求める場合は企業知財部の方がおすすめです。

ですが、小さいベンチャー企業とかだとチームによって報酬の仕方が変わる可能性があるため、会社によっては上記の内容と異なります。

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違い⑤福利厚生・ワークライフバランスに違いがある

5つ目の違いは「福利厚生・ワークライフバランス」です。

結論から言うと、福利厚生が整っているのは企業知財部で、ワークライフバランスが整っているのは特許事務所です。

 

企業知財部は福利厚生が整っている

福利厚生を考える場合、企業の方が平均的に整えられています。

そういった面で士業の世界は遅れており、育休制度や保険関係など、なかなか整っていない事務所が多いのも事実。

もちろん特許事務所によりけりなので、気になる特許事務所の求人要項をしっかりと確認してみてください。

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一方で、ワークライフバランスを考えるなら特許事務所の方がいいかもしれません。

 

働きやすさを考えるなら特許事務所

大きな企業だと社内制度や規定を変えないといけないため、「融通が利く」といった点に関しては事務所より劣っています。

小さい事務所だと、周りが助けてくれて休みが取りやすかったり、突然子どもが体調を崩してしまった場合に柔軟な対応をしてくれたり、違った働きやすさがあります。

実際に、在宅勤務や、時短勤務OKなどの求人もあるため、子どもが生まれて復帰しやすいのは特許事務所です。

「働きやすさ」を求めるなら特許事務所への転職がおすすめです。

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ベストな勤務先が分かる「転職チェックリスト」

以下のチェック項目を確認することで、あなたに合った勤務先がある程度判断できるようになります。

 

大手の特許事務所が向いている人の特徴

以下に当てはまる方は、大手の特許事務所や規模が大きい特許事務所が向いているでしょう。

✅指導してくれる人が多く、しっかり一から学びたい方

✅狭く深く専門知識を掘り下げたい方

✅比較的安定志向で、研修制度・教育体制を求める方

✅案件をこなしてスピーディーに働きたい方

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小規模の特許事務所が向いている人の特徴

以下に当てはまる方は、小規模の特許事務所が向いています。

✅幅広い業務経験を一から自分でやりたい方

✅将来独立を考えている方(経営的な部分を近くで見れる)

✅誰かの下に働くというよりは、裁量持って主体的に働きたい方

✅歩合性や成果主義で働きたい方

※かなり忙しいかもしれないですが、厳しい環境に身を置いて成長したい方におすすめです。

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大手企業や大企業の知財部に向いている人

大手企業や大企業の知財部に向いている方の特徴は以下です。

✅安定志向で福利厚生などに重きを置きたい方

✅プライベートの時間を大切にしたい方

✅大人数でのコミュニケーションやチームでの動きを好む方

✅会社の持つ知的財産の戦略などを考えたい方

※実務経験3年以上の経験者がより採用されやすいです。

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中小企業やベンチャー企業の知財部に向いている人

中小企業・ベンチャー企業の知財部に向いている方は以下です。

✅知財部立ち上げとかに携わりたい方

✅賞与をモチベーションに仕事をこなしたい方

✅少人数でのコミュニケーションを好む方

✅チャレンジングなことに興味がある方

✅会社の持つ知的財産の戦略などを考えたい方

※こちらも実務経験3年以上の経験者の方が好まれます。

 

自分に合った勤務先の相談や紹介を受けたい方

こちらの記事では、大まかなカテゴライズをしましたが、実際は会社や事務所によって体制が全く異なります。

自分の理想の職場は一体どんなものなのか、一度ゆっくり考えてみてくださいね。

弊社リーガルジョブボード」では、弁理士・特許技術者や知財・特許系の転職をサポートしております。

以下のようなお悩み事があれば、転職意思がなくともどんどんご相談ください。

  • 自分に合う職場が分からない
  • そもそも知財でどういうことがしたいのか分からない
  • 年収が上がる求人があれば見てみたい

などなど、些細なことでも構いません。

リーガルジョブボードにご登録いただければ、知財専門のエージェントがご連絡いたしますので、その際にご相談いただければマンツーマンでキャリアカウンセリングさせていただきます。

ぜひご利用くださいませ。

株式会社WILLCO 三島善太
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弁理士・特許技術者や知財・特許系職種を専門としたリーガルジョブボード(株式会社WILLCO)の転職エージェント。転職実績は業界最大級。求人票には載っていない事務所の評判や口コミのお伝え、選考対策やキャリアステップのご相談など多岐に渡り転職支援をさせていただいていますので、お気軽にご連絡ください。