弁理士資格取得は何歳でも可能
まず前提として、弁理士の資格取得は何歳でも可能です。
他の国家資格と異なり、ロースクール修了や勤続年数といった受験資格は一切設けていません。
20代でも弁理士を目指すことは可能です。
弁理士資格の難易度
弁理士資格の難易度は非常に高いです。
2019年度の弁理士試験合格率は8.1%でした。
またここ5年間の合格率は、6~8%台です。
さらに2019年度合格者の平均受験回数は、4.07回でした。
これらを踏まえると、弁理士資格の難易度は非常に高く年数もかかることから、20代のうちから受験勉強をはじめた方がメリットは大きいと言えます。
弁理士資格の難易度については、以下の記事に詳しく書かれています。
20代弁理士の割合
2018年度の20代の合格者はわずか43人でした。
これは、合格者全体の16.5%と2割にも満たない人数です。
また弁理士合格者の平均年齢は37.6歳(2018年度)であり、合格者のボリュームゾーンも30・40代です。
さらに2020年3月時点で日本弁理士会登録の20代の弁理士は、わずか56人でした。これは会員全体のたったの0.6%です。
(出典:日本弁理士会会員の分布状況)
これらのデータから知財業界の中で20代弁理士が占める割合は、とても少ないことが分かります。
20代弁理士の就職の有利性
20代弁理士は就職・転職に有利です。
ただし以下の条件を満たせばという条件付きです。
- 理系の大学・大学院を出ている
- 何かしらの理系分野の知識を持っている
- メーカーや研究機関での研究・開発経験がある
- 特許事務所や企業知財部での実務経験
なぜなら企業・事務所の多くのメインサービスが「特許出願」であり、特許出願に関する技術内容を正確に理解する必要があるからです。
よって多くの企業やクライアントは、上記のような条件も応募資格として設けています。
20代弁理士の年収
続いて、20代弁理士の年収について解説します。
20代の中では高年収
企業知財部・特許事務所にて就業する20代弁理士の平均年収は、350万円~450万円前後です。
これは20代の平均年収が267万円~370万円であるのに比べると高年収と言えます。
(出典:2018年度 民間給与実態統計調査)
年収1000万円になるのは稀
一方で弁理士資格を持っているからと言って、20代のうちで1000万円を超えるような超高年収を得るのは稀とも言えます。
なぜなら企業にしろ特許事務所にしろ、知財業界で年収を上げるためには弁理士資格の他に「実務経験」や「スキル」が必要だからです。
よって20代弁理士の平均年収は他業種よりも高いが、20代のうちから超高年収(1000万円以上)を得るのは難しいと言えます。
30代以降の伸び幅には期待
ただし20代で弁理士の資格を取っておき、かつ実務経験を積んでいくと、30代以降の年収の伸び幅は期待できるでしょう。
よって30代以降の収入面での安定を見据えて、20代のうちから弁理士を目指すのは得策と言えます。
年代別の弁理士の平均年収については、以下の記事をご覧ください。
結論:20代で弁理士を目指すのは場合によってはあり
ここまでの20代弁理士に関するデータを踏まえると、以下のことが言えます。
- 弁理士資格は難関資格であるため、20代のうちからチャレンジすべきである
- 20代で弁理士に合格していても、+αのスキル・経験がないと就職には有利に働かない
- 20代弁理士の平均年収は高く、30代以降の年収の伸び幅も期待できる
- ただし20代のうちから1000万円プレイヤーになるのは稀である
よって上記を理解した上で、20代のうちから弁理士を目指すのは得策であると言えます。
20代で弁理士を目指すべき人
最後にこれまでの各論を踏まえて、20代のうちに弁理士を目指すべき方を紹介します。
- 何かしらの理系分野の知識を持っている
- メーカーや研究機関での研究・開発経験がある
- 希少価値をつけたい
- 将来的に高年収をしっかりと得たい
上記のような条件に当てはまる方であれば、20代のうちから弁理士資格を取得するメリットは大きいと言えます。
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弁理士を目指すなら「特許技術者」に就職することも手段の一つ
弁理士を目指す場合、「特許技術者」として働きながら弁理士を目指す方が多いです。
特許技術者とは、基本的に弁理士と同じ業務を行う職種です。
そのため、弁理士としての実務経験を積みながら弁理士を目指すことが可能になります。
特許技術者として働きながら弁理士を目指すメリットは他にもたくさんあるため、詳細を知りたい方は以下の記事もご覧ください。