特許事務の平均年収・給与
特許事務の平均年収は、350~400万円程度になります。おおよそですが、特許事務の年収相場は下限が300万円、上限が500万円程度です。
ただし、年収は以下の要素によって多少の変化が生じます。
- 勤務形態・働き方
- 実務経験の有無
- 経験年数
- 年齢
- 勤務地・エリア
そこで、これら5つの要素に基づいた「年収の目安」を詳しく解説します。
働き方・経験の有無による年収の変化
まずは「勤務形態」と「実務経験の有無」による年収の目安を紹介します。
以下の表をご覧ください。
勤務形態・働き方 | 実務経験の有無 | 給与の目安 |
フルタイム・正社員 | 経験あり | 年収350~400万円 程度 |
フルタイム・正社員 | 経験なし | 年収300~350万円 程度 |
パート | 経験あり | 時給1,500円 程度 |
時短・正社員または契約社員 | 経験あり | 年収250~300万円 程度 |
フルタイムの正社員として働く場合、「実務経験あり」なら年収400万円を目指せます。未経験の場合は年収300万円スタートくらいが一般的です。
パートの時給目安は1,500円ですが、個人の経験・能力に応じて変動します。
時短勤務の場合、勤務時間や事務所によっては年収300万円程度も目指せるでしょう。
経験年数による年収の変化
続いて「経験年数による年収の目安について紹介します。
経験年数 | 年収の目安 |
未経験 | 年収300万円 程度 |
3年程度 | 年収320万円 程度 |
5年程度 | 年収350万円 程度 |
10年程度 | 年収400万円 程度 |
10年以上 | 年収450万円~ 程度 |
※フルタイム正社員の場合。残業代は含まない。
実務経験年数が5年で年収350万円、10年で年収400万円が目安です。
特許事務は一般的に、経験3年以上で「経験者」とみなされます。経験年数が大きければ大きいほど、年収がアップする職種です。
また実務経験の年数が大きくなると、「新人教育」や「チームリーダー」といったポジションに就くことも。そういった役割を担うと「役割手当」などの報酬が付与され、さらに年収が上がるケースもあります。
年齢による年収の変化
続いて「年齢」に応じた年収の目安を紹介します。
特許事務は年齢と経験値が比例することが多いので、年齢と共に年収も上がっていく傾向にあります。
年齢 | 年収の目安 |
20代 | 年収350万円 程度 |
(20代後半~)30代前半 | 年収350~400万円 程度 |
30代後半 | 年収400~430万円 程度 |
40~50代 | 年収450~500万円 程度 |
※フルタイム正社員の場合。残業代は含まない。
40~50代で経験を積んでおり、事務所の在籍歴も長い方だと、年収は450~500万円程度でしょう。事務所によっては、年収350~400万円程度の場合もあります。
エリア・地域による年収の変化
続いて「エリア・地域」に応じた年収の目安を紹介します。
エリア・地域 | 平均年収 | 上限の目安 | 下限の目安 |
東京・大阪 | 350~400万円 程度 | 500万円 程度 | 300万円 程度 |
その他のエリア(※) | 300~400万円 程度 | 450万円 程度 | 280万円 程度 |
※その他のエリアは、愛知・神奈川・埼玉・千葉を想定(特許事務の求人は、ほとんどが1都3県・大阪・愛知の求人のため)
※上記の表はフルタイム正社員の場合。残業代は含まない。
「東京・大阪」と「その他のエリア」では、年収の上限目安に50万円、下限目安に20万円ほどの差が。これには、エリアによって給与水準が異なることが関係しています。
ただし、エリアよりも所属する事務所や経験・能力の方が年収に与える影響は大きいでしょう。
残業時間による年収の変化
残業が月30時間ほどあると、年収が50万円程度アップする可能性があります。月50~60時間ともなれば、年収にさらに大きく影響するでしょう。
特許事務は比較的、残業時間が年収に反映されやすいです。それは、残業時間分の手当をそのまま貰えるケースが多いからです。「みなし残業代」が元からついていることは、あまりありません。
ちなみに大前提として、年収が変化するほど残業をしているのは、ごく一部の方です。多くの特許事務の方は、ワークライフバランスを大切にして働いています。
特許事務と一般事務の違い
一般事務に比べ、特許事務は非常に専門的な仕事であり、その分給与も高い傾向にあります。
2021年に発表された調査(※)では、一般事務の平均年収は335万円(男性394万円・女性316万円)とされています。
一方で、特許事務の平均年収は350~400万円程度。特許事務の方が、15~65万円ほど平均年収が高くなっています。
サポート業務が主という面では共通していますが、特許事務は特許に関する事務全般を担当するので専門的な知識が必要。
海外案件を扱う特許事務所では、TOEIC700~750点程度の英語力も必須です。
「英語力を活かして働きたい」「専門性の高い仕事がしたい」といった方は、特許事務に向いているでしょう。
特許事務の詳しい業務内容などは、以下の記事をご覧ください。
※出典:doda「平均年収ランキング(165職種別の平均年収/生涯年収)【最新版】」
特許事務はきつい?給与は仕事に見合っているのか
仕事に給与が見合っていないと感じる特許事務の方は、比較的少ないです。
特許事務の方の多くは、給与・年収額よりも「人間関係」「働きやすさ」を重要視する傾向にあります。
そのため、自身の望む環境や条件で働けているか否かが、給与の満足度にも影響すると考えられます。
給与が見合っていないと感じる方の多くは、仕事内容よりも労働環境・条件に不満を感じているケースが多いです。
下記の記事で、特許事務の仕事で「きつい」と感じる瞬間をはじめ、ワークライフバランスや職場選びのポイントについて説明しています。ぜひご覧ください。
特許事務が働く「特許事務所」はホワイト
基本的に特許事務所では、ワークライフバランスを大切にして働くことができます。働きやすい環境を整えている事務所が多いからです。
例えば、
- 在宅勤務や時短勤務など、フレックスな働き方が可能な職場
- 子育てに理解があり、協力体制が整っている職場
- マニュアルや制度が整備されていて、業務効率の改善に積極的な職場
といった職場です。
特許事務の残業時間が「月20時間前後」と比較的少ないのは、以上のような背景があるからです。ほぼ毎日定時で上がれる事務所もたくさん存在します。
とはいえ、すべての事務所がホワイトな職場ではないのも事実です。実際、「月50~60時間程度の残業がある」「業務量があまりにも多く、見合った給与が支払われない」など、ブラック体質な事務所も少なからず存在しています。
つまりここで大事なのは、ブラックな特許事務所を避けて転職活動を行うことです。ブラックな事務所を避けるためには、自身が優先したい条件を明確にし、面接や事務所見学の際に見極めることが重要です。
職場の選び方でお悩みの方は、リーガルジョブボードにご相談いただければ「失敗しない事務所選び」をお手伝いいたします。ぜひお気軽にご相談ください!
特許事務所で年収が最も高いのは「弁理士」
特許事務の平均年収は350~400万円程度ですが、弁理士の平均年収は700万円程度。
弁理士は、特許申請に関する明細書を作成するのが主な仕事です。
特許庁への手続き業務は弁理士しか行うことができず、特許事務の仕事の多くは弁理士のサポート業務になります。
「知的財産の専門家」である弁理士になるためには、合格率6~9%ほどの超難関の弁理士試験を突破しなくてはなりません。
勤務先や個人の能力によるので一概には言えませんが、弁理士は経験値・案件量・報酬制度次第で、年収800万円~1000万円以上も目指すことができるでしょう。
特許事務に転職するならリーガルジョブボードにご相談ください
ここまで紹介してきたように、特許事務として働きやすい職場環境に転職するためには、特許事務所の選び方が非常に大切です。ネットでは労働環境の実態をリサーチすることは難しいですが、転職エージェントを活用することで「失敗しない特許事務所」のピックアップが可能です。
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