弁護士業界の忙しさについて
弁護士業界は、基本的に忙しい業界です。
案件内容や事務所規模によって忙しさに多少違いはありますが、多忙な方は多いです。
大手事務所は忙しい傾向が強い
大手事務所は忙しい傾向にあります。
特に、有名なのが五大法律事務所と言われている法律事務所です。
弁護士数の多い事務所ですが、その分業務量も多いため、帰りが終電ギリギリなんてこともしばしば。
その分、年収や業務の幅で見た場合に他の事務所と比較すると非常に大きな魅力がありますが、体力や精神面の問題から3年程度で転職を考える方が多くいらっしゃる印象です。
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案件数・案件の規模感によって忙しさは変わる
働く事務所が取り扱う業務によって、忙しさに違いがあります。
業界的に特に忙しいといわれている業務は「企業法務」。
特に、上場企業の大きな訴訟やM&A案件が多い事務所は、一つの案件が大きくなる傾向があり、一人ではなく弁護士数名のチームで対応することがほとんどです。
企業によっては国内外の交渉、チームでの打ち合わせが増え多忙です。
逆に、一般民事を扱っている事務所は個人クライアント相手で1案件に対応する弁護士数も少なく、自分の裁量で進めることができるため、残業を少なくすることができます。
働き方改革は浸透していないが、変わりつつある
近年、働き方改革で残業時間の見直しなどが行われている企業は増えてきましたが、弁護士業界ではほとんど浸透していません。
それは、そもそも弁護士の採用形態が「業務委託雇用」が多いからです。
弁護士は、請負った案件の量がダイレクトに給与に影響します。
そのため、朝から晩まで働く弁護士がいる一方、病気や子育て、介護などで給与は少なくても時短など働く量を制限している弁護士もいます。
とは言え、以前はほとんどの弁護士が早朝から深夜まで働くのが当たり前の業界でした。
それを考えれば、自身の生活スタイルを重視して働く弁護士も少しずつ増えてきており、働き方が変化しつつある印象です。
弁護士の月間の平均残業時間
弁護士の平均残業時間は月40時間程度です。
フレックス制を取っている事務所が多く、夜が遅い分、朝は少しゆっくりめに出社をする弁護士の方も結構いらっしゃいます。
残業時間が40時間を上回るケースは、前述したように「企業法務業務を扱っている事務所」や「大手事務所」に勤めている場合がほとんどです。
女性はまだまだ働きにくい業界
前述したように、弁護士は「業務委託雇用」が多いです。
そのため、福利厚生など待遇面は充実している事務所は少なく、女性が出産後復帰しにくい環境が続いています。
ただ最近では、時短勤務で子育てをしながら働く女性の弁護士の方も増えてきました。
子育てで忙しい女性や主婦の方に対する理解が、徐々に深まってきていると言えます。
弁護士がワークライフバランスを取るためのおすすめの職種や職場
前述したように弁護士は忙しい業界です。
しかし、職種によってはワークライフバランスを実現できる可能性も。
そこでここからは、ワークライフバランスを実現できる弁護士の職種をご紹介します。
一般民事・家事系の事務所
弁護士の職場として一番多いのが、一般民事・家事系の事務所を扱う事務所です。
規模によって特徴があり一般民事・家事系事務所で大手の場合だと、人数が多く事務所というよりも一般企業に近い印象です。
福利厚生が整っていたり休暇がとりやすい体制を作っている事務所も多いです。
また通称「マチ弁」と言われる中・小規模の事務所だと、所員の人数は少なく所長の色が濃く出ている場合が多いのが特徴です。
そのため所長の考えや仕事の仕方で働きやすさには差が出ることがありますが、基本的には自分の裁量で仕事を進めることができるため残業を少なめに調整することができます。
インハウスローヤー(企業内弁護士)
ワークライフバランスを実現するための選択肢として、「インハウスローヤー」として一般企業に勤める働き方があります。
一般企業雇用になるため、働き方改革がすすんでおり残業時間は法律事務所と比べると少なく、福利厚生も充実しています。
法律事務所ではクライアント案件を受け持ちますが、企業内弁護士は自社を守るのが仕事。
企業の幹部や経営陣と密なやり取りをしながら、大きな案件にも携わる可能性が高くやりがいがあります。
ただ、裁量により高収入を目指せる法律事務所と比べると、収入は減少する場合が多いです。
インハウスへの転職のメリットは以下の記事にまとめているので、あわせてご覧ください。
企業法務部
弁護士資格を活かして働きたいのであれば、一般企業で法務部として活躍する道があります。
インハウスローヤーと同じで、企業雇用になるので法律事務所で働く場合と比べ、残業面や福利厚生が充実しており働きやすいです。
企業により法務部がどの範囲までの業務を行うかには差があり、株主総会の対応や紛争訴訟対応をする企業があれば、業務が契約書対応ばかりといった企業もあります。
給与に関しても、法律事務所と比べると減少する可能性が高いです。
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ワークライフバランスが整っている求人例のご紹介
弊社LEGAL JOB BOARD(リーガルジョブボード)で公開している求人の中には、ワークライフバランスが整っているものが多くあります。
その中でも特におすすめのものをいくつかご紹介いたします。
一般民事・家事系の事務所
まずは一般民事・家事系の事務所です。
週休二日制、夏季休暇など休みが充実しており、残業も他事務所と比べると少なめで安定して働けます。
インハウスローヤー(企業内弁護士)・企業法務部
一般企業で法的知識をいかして働くメリットは、働きやすさと福利厚生の充実度にあります。
働き方改革で時間外勤務に厳しくなっていますので、残業時間も多くありません。
また社会保険など一般企業では当たり前のものだけではなく、独自の福利厚生を用意している企業があるのも魅力です。
弁護士がワークライフバランスを重視して転職する際の注意点
ワークライフバランスを実現するための転職活動における注意点がいくつかあるので、以下もご覧ください。
求人票の業務内容・説明文をチェック
求人票の業務内容はしっかり確認しましょう。
上記でもお話させていただきましたが、一般民事・刑事を多く扱う事務所より企業法務を扱う事務所は忙しい傾向にあります。
さまざまな案件を対応している事務所であれば、どの業務をメインとし得意としているのかを見ることで、多忙な事務所なのかどうかを予想することができます。
また、求人票の業務内容の項目だけではなく、説明文もチェックが必要です。
業務内容項目に記載がなくても、説明文で「案件の比率」や「入社後どういった案件を対応する人物を募集しているのか」などが詳しく記載されているものがあります。
求人票の業務内容・説明文には入社後の働き方に関する内容が書かれていることが多いのでしっかり確認してください。
法律事務所の規模感
事務所の規模感で、弁護士がどのように仕事を進めているかがわかります。
大手事務所は大きい案件を多く抱えているケースが多く、チームで動くことがあり、案件自体が多いため多忙です。
中小規模の事務所は弁護士数や案件によりますが、自分の裁量で仕事を進められるので、働き方を柔軟にすることが可能な事務所が多いです。
上記でお話したように、業務内容に加え事務所の規模感を把握することでどのような働き方をしているのかを予想することができます。
下記は、大手と言われる五大法律事務所の特徴と、事務所規模別の特徴をまとめた記事です。
【推奨】転職エージェントに情報を入念にもらう・事務所の口コミを知る
いろいろお話してきましたが、実際、事務所の内情をすべて求人票や事務所規模から読み取るのは至難の業です。
なので、より確実に事務所や企業の忙しさを把握したい場合は転職エージェントを利用することです。
弊社LEGAL JOB BOARD(リーガルジョブボード)では、掲載している求人はすべて入念に情報を入手しているので、「残業時間」「忙しさ」はもちろん、
- 職場の雰囲気や人間関係
- そこで働いたことのある人の口コミ
- 年収や給与テーブル
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