サマークラークとは?メリットや応募の仕方・注意点
by LEGAL JOB BOARD 森田
転職エージェント
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こんにちは。弁護士の転職エージェント「リーガルジョブボード」の森田です。
本記事では、「サマークラークのメリットや注意点」を解説します。
サマークラークとは、夏に実施される法律事務所でのインターン・就業体験のことです。この記事では、
- 概要・具体的な内容
- 参加するメリット
- 応募方法・注意点
などの情報を網羅的にまとめています。
「実際に応募したらどういうことをやるのか」「そもそもどのように応募するのか」「給料はもらえるのか」といった疑問・不安をお持ちの方は、ぜひ最後までご覧ください。
就職活動を有利に進めたい方は、サマークラークを上手く活用するとことに加え、転職エージェントの利用もおすすめです。
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この記事の目次
サマークラークとは
サマークラーク(サマクラ)とは、主に法科大学院学生を対象とした夏期インターン制度のことです。
サマーインターン、サマーアソシエイトなどと呼ばれることもあります。
主に大手事務所や規模の大きい法律事務所が開催しています。これらの事務所は、サマークラークに参加した学生を中心に採用することが多いからです。
「就職するためにはサマークラークへの参加が必須」という事務所がよくあるので、注意しましょう。
※サマークラークに参加しなくとも、面接選考で逆転して就職できるケースはないことはありませんが、かなり稀です。
特に五大法律事務所は、この傾向が強いとされています。
五大法律事務所の一覧や特徴・年収については以下の記事から詳しく知ることができるので、あわせてご覧ください。
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サマークラークの業務例・内容
ここからは、サマークラークの業務内容や業務例をご紹介します。
実施内容は事務所によってさまざまで、一概には言えませんが、以下の内容がメインとなります。
法令・判例の調査
業務例の一つに、法令・判例の調査があります。
実際に働いている弁護士の補助として、過去の判例や最近の判例などをリサーチします。
ロースクールでも法律についてよく勉強していると思いますが、実際の業務の体験ができ、貴重な体験となるでしょう。
書類作成の補助
弁護士の指示に従い、業務に必要な書類作成の補助を行います。
弁護士として実務を行うようになると、案件ごとに膨大な量の書類作成が必要になります。それに慣れる意味でも、大変意義がある体験です。
この他にも、契約書チェックや実務文書の起案を行ったり、弁護士から課題を出されることもあります。
これらの業務や課題が選考の際に判断材料となる可能性があります。しっかりと取り組みましょう。
サマークラークの勤務時間・給料
勤務時間は、昼食休憩を挟んで10時~18時(実働7時間)に設定して行う事務所が多いようです。
事務所によって異なりますが、業界的に始業時間が遅めのケースが多く、そのような時間設定になっています。
日当は1日1万円の場合がほとんどで、交通費や宿泊費も別途支給されます。
実施期間については、1週間前後が標準です。
サマークラークの1日例
ここからはさらに具体的に、サマークラークの1日の流れの例をご紹介します。
午前中
午前中は弁護士業務の体験をします。
執務室に配属されて、前述したような法令・判例調査、契約書等の書類作成、法律相談、裁判・委員会への出席といったように一通りの弁護士業務を体験できます。
実際に働く際のイメージを膨らませながら、取り組みましょう。
昼食・ランチ
事務所の先輩弁護士に昼食に連れていってもらいます。
仕事以外の会話も交えながら、交流を深めましょう。
ちなみに、弁護士は食事のペースが速い方が多いようです。
午後
ランチを終えた後は、事務所の弁護士がセミナーや講義を開くことがあります。
弁護士の方それぞれに得意分野がありますので、しっかりと勉強させてもらいましょう。
夕方
自身が興味のある分野を担当する弁護士の方に、直接質問して業務の理解を深めます。
貴重な機会ですので、話を引き出して色々なことを教えてもらいましょう。
サマークラークを受けるメリット
サマークラークを受けるメリットは4つあります。
弁護士の業務を具体的に知ることができる
サマークラークに参加すると、弁護士業務をより具体的に把握できます。
業務内容を詳しく知れるのは、かなり大きなメリットです。入職までに「どういった勉強をすれば良いか」「どのような情報を入手しておけば良いか」といった前準備が明確になるためです。
大手法律事務所への就職を考えている方は、「企業法務をやりたい」「訴訟を担当したい」など、希望分野が決まっている方も一定数いるでしょう。希望が決まっていても、決まっていなくても、実務の様子が見られるのは貴重な体験になります。
インターネットなどでは得られない情報も知ることができます。サマークラークには、参加しておいて損はないでしょう。
就職活動で有利になる
先ほども述べましたが、法律事務所は採用活動の一環としてサマークラークを行っています。
法律事務所は人が資本と言われていますから、参加者の能力はもちろん、人柄・熱意といった部分もしっかりと見ています。
高く評価されれば、採用で有利に働くでしょう。
事務所の雰囲気を感じられる
事務所によって、所属する弁護士や職場の雰囲気もさまざまです。
ホームページ等では分からない実際の様子を見学することで、自分に合う事務所なのかを改めて見極めることができます。
就職後のミスマッチを防ぐほか、志望度を明確にするためにも、サマークラークは非常に良い機会です。
他の参加者と繋がりができる
サマークラークの参加者は法科大学院の学生が多く、期間中は何かと交流する機会があります。他の大学院からの参加者とも仲良くなることができます。
弁護士は横のつながりも大切ですので、サマークラークの機会を有効活用しましょう。
応募の仕方や採用までの流れ・開催時期
サマークラークの応募の仕方や、採用までの流れは以下のとおりです。
- サマークラークを受けたい法律事務所のホームページにアクセスする
- 応募要項を確認し、手順に従う
- 書類選考を行う
- 面接選考を行う
サマークラークの開催時期は事務所によりますが、早い事務所だと3月頃に開催します。8月〜9月頃に開催する事務所もあります。
書類選考、その後に面接選考を経て採用となります。
サマークラークに必要な提出書類
書類選考では、以下の提出を求められます。
- 履歴書
- 法科大学院での成績
- 予備試験の成績
- 短答式の成績
- エントリーシート
エントリーシートでは、目指す弁護士像や興味のある法律分野などを問われます。
書類をすぐに準備することは大変です。あらかじめ準備しておきましょう。
書類選考での大事なポイント・注意点
上記の提出書類で、減点されがちな注意点についてまとめます。
これから紹介する項目にミスがあったからといって、絶対に落ちてしまうわけではありません。
しかし、実務経験のない司法修習生がアピールできるポイントは限られているのも事実です。小さなミスでチャンスを逃さないよう、十分に注意することが大切です。
書類の誤字脱字をチェックする
誤字や脱字は必ずチェックしましょう。
基本ではありますが、弁護士は書面作成が主な業務になるため、選考における重要な注意点です。
書類の送信先・宛先や担当者の名前の誤りをチェックする
宛先と名前は非常に需要な項目です。
こちらも、誤字・脱字のチェックが重要な理由と一緒です。弁護士は書面作成が主な業務なので、そのようなミスがあると、弁護士としての資質を疑われてしまう恐れがあります。
顔写真を必ず添付する
顔写真を貼っていない方が、稀にいらっしゃいます。
写真添付は基本なので、必ず撮影して貼るようにしましょう。
指定以外の応募方法はしない
書類郵送と指定されているにも関わらず、メールを送ったり問い合わせるのは、あまり好ましくありません。必ず指定された方法で対応しましょう。
扱いが難しい人材だと思われる恐れがあるため、素直に従うのが望ましいです。
必要書類の抜け漏れがないようチェックする
上記で紹介した必要書類は、絶対に漏れがないように準備・提出しましょう。
事務所によって求められる書類が少し変わる可能性もあります。ホームページの募集要項には、何度か目を通すようにしてください。
書類に抜け漏れがあると、「読んでいても準備ができない人」「情報を正確に読めない人」と思われてしまう恐れがあります。
サマークラークの面接選考・内容
サマークラークの面接では、主に下記の内容を聞かれることが多いです。
- 自己紹介
- 自己PR
- 志望理由
- 弁護士を目指したきっかけ
- どのような弁護士になりたいか
- 興味のある分野
- 司法試験の手応え
- 英語スキル
幅広い内容ではありますが、どれも返答できるように事前に準備しましょう。
余裕があれば、興味ある法律分野について勉強しておき、積極的にアピールするとよいでしょう。
事務所への逆質問の時間もあるので、事前に質問内容を考えておきたいところです。自身のやる気や積極性、考えをアピールできる時間でもあるので、しっかり準備しましょう。
ちなみに、一般企業の面接よりは比較的フランクな雰囲気です。リラックスして臨み、自分らしさを最大限に伝えてください。
サマークラークに応募する際の注意点
最後に、サマークラークに応募する際の注意点を解説します。
以下を踏まえるだけで、サマークラークの応募がより有利になるはずです。
開催直後すぐに応募する
サマークラークの募集が開始されたら、すぐに応募しましょう。
事務所によっては全員の書類をチェックできず、書類の到着が早かった人から選ぶケースがあります。そして、応募多数と予想される人気事務所ほど、この傾向にある可能性が高いです。
早く応募する方が採用される可能性がアップします。ホームページなどの情報を逐一チェックし、募集が始まったらすぐ応募するよう心がけましょう。
成績は気にしない
法科大学院や予備試験の成績が重視されるのは事実ですが、成績があまり良くなくても応募をためらうことはありません。
エントリーシートの内容を見込まれて採用される可能性もありますので、どんどん応募していきましょう。
エントリーシートや面接で積極性をアピールし、成績をカバーできれば、合格するケースは珍しくありません。
服装はスーツ必須
服装はスーツです。
私服では参加できませんので、注意してください。
ウィンタークラーク・スプリングクラークなどとの違い
ウィンタークラークは、基本的に予備試験の合格発表後に行われ、予備試験合格者を対象としています。期間は基本的に2~3日で、サマークラークに比べると短くなっています。
スプリングクラークは3月頃行われ、法科大学院の最終学年進級予定者(4月から最終学年)が対象です。
弁護士は転職エージェントを活用すると内定が出やすい理由
サマークラークやウィンタークラークに参加すると、希望事務所への就職の可能性が上がります。
しかし、就職活動をより有利に進めるためには、転職エージェントの利用をおすすめします。
弊社「リーガルジョブボード」は、弁護士専門の転職エージェントサービスです。
弁護士業界に詳しいエージェントがあなたのスキルや資質を見極め、求人紹介だけでなく、以下のサポートも無料で行ってくれます。
- 選考突破のための書類・面接対策の徹底
- 今のあなたが転職で実現できうる推定年収の算出
- キャリアパスの策定やご相談
- 求人の職場口コミやブラック度の情報提供
ちなみに、自分で直接求人に応募するよりも、転職エージェントを経由して応募した方が内定率がグッと上がることをご存知ですか?理由は以下の記事で解説しています。
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