司法修習生の就職先とそれぞれの概要
まずは、司法修習生の進路や就職先をご紹介します。
司法修習生の進路・就職先は、大きく分けると下記の5つ。
- 法律事務所
- 企業内弁護士(インハウスローヤー・法務部)
- 裁判官
- 検事
- 独立(即独)
以前は弁護士として法律事務所で働くことが当たり前でしたが、時代の変化に伴い、司法試験合格者の就職先の選択は広がってきています。
例えば71期ですと、司法修習終了者1,517人のうち進路別人数は下記です。
- 弁護士:1,032人
- 裁判官:82人
- 検察官:69人
- 法務部:74人
- その他:260人
基本的には大半が弁護士となっています。
法律事務所
法律事務所は、司法修習生が選択する一番多い就職先です。
司法試験受講者は、まず法律事務所へ入職することを想定して資格取得を目指している方がほとんど。
法律事務所の1年目の平均年収は約550万円程度で、経験やスキル次第では更に上を目指せます。
働く事務所によっても年収は大幅に違いがあり、例えば5大法律事務所などの大手事務所では、1年目の年収は1,000万円超えることが一般的。
五大法律事務所の特徴や事務所一覧は以下の記事で解説しているので、あわせてご覧ください。
法律事務所は規模によって特徴がさまざまなので、どの事務所でどのような経験を積むのか、思い描く長期的なキャリアから逆算して考えることが大切です。
もし「どういうキャリアパスを描けば良いのか分からない」「学びたい分野が思いつかない」といったキャリアに関するお悩みがある場合は、弊社リーガルジョブボードで無料でご相談に乗らせていただきます。
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ある程度の目標やキャリアを出発時に定め就職活動を開始することで、より有意義な弁護士キャリアを歩むことができます。
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企業内弁護士
司法試験合格者の中には、企業内弁護士(インハウスローヤー・法務部)として一般企業の法務部へ入社する方もいます。
一般企業なので、法律事務所と比べると残業が少なく待遇が良い傾向にあります。
ワークライフバランスを大切にしたいと考える方に向いています。
弁護士は基本的に忙しい職種ですが、ワークライフバランスを実現するための方法やコツについて以下の記事で解説しているので、気になる方はあわせてご覧ください。
一方で、企業内弁護士の1年目の平均年収は400万円程度で、法律事務所と比べると少なめです。
1年目から年収を高く設定したい場合は、インハウスローヤー(一般企業)より法律事務所が向いています。
ちなみに、一般企業の法務部であれば司法試験合格は優遇される条件ではありますが、必須ではありません。
そのため「法科大学出身者」や「司法書士資格取得者」なども参入する形となり、法律事務所に比べるとライバルは多めになります。
なので司法修習後にインハウスローヤーとして就職する場合は、弁護士資格を特に優遇している企業を探すことがポイントになります。
求人票で<弁護士資格者は歓迎条件>となっている企業が好ましいです。
しかし、求人票には「歓迎」という記載があっても、どこまで資格を重要視しているのか・資格にこだわっているのかの「温度感」は企業によって本当にさまざまなんです。
そこで私たちリーガルジョブボードの転職エージェントは、司法修習生を大歓迎する企業(求人)を把握しているので、もしインハウスへの就職をご検討されている司法修習生の方はぜひ求人をご紹介させてください。
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裁判官
司法試験合格後、裁判官を目指すこともできます。
1年目から年収約600万円と高給与とはなっていますが、誰しもがなれるわけではありません。
というのも、司法試験の合格者の中でさらに優秀な成績を修めた合格者が裁判官に指名される仕組みだからです。
裁判官の指名を受けるには、司法試験の順位が良いのはもちろんのこと、修習中の試験も上位であることは必須です。
補足として裁判官のキャリアについても触れておきます。
裁判官に任官されると、「未特例判事補」になり、見習い中のステージになります。
一人で裁判を行うことはできず、裁判長も務められません。
任官から5年で「特例判事補」となります。
特例判事補になると、晴れて一人で裁判を行えるようになります。
10年目になると「判事」になり、一人前といわれ、その後は「高等裁判所長官」「最高裁判所判事」「最高裁判所長官」とキャリアアップをしていくことがあります。
しかし、「判事」以上のキャリアを積む人はほんの一握りです。
検事
検事になるという道もあります。
1年目の年収は500~600万円で、部長クラスになると年収1,000万円を超える傾向にあります。
検事になるためには「司法修習生考試」の合格後、検事採用面接を受けなければなりません。
判断基準として、
「能力・適性・人格・識見に優れた方を総合的に判断した上、採用されます」
とされており、面接では検事としての資質が見極められます。
また検事としてのキャリアは、基本的には下記の順でキャリアを積んでいくことが一般的です。
- 新任検事
- 新任明け検事
- A庁検事(ここまでで5年程度)
- 三席検事
- 次席検事
- 検事正
- 検事長
- 検事総長
新任検事、新任明け検事は力をつける期間です。
5年目以降になると、一人前の検事として認められる存在になります。
独立(即独)
稀ですが、司法修習後に自身で法律事務所やコンサル企業を開設して独立する方がいらっしゃいます。
資格取得前や修習中に準備をすることになるので、独立するためにはかなり忙しいスケジュールをこなさなければなりません。
独立弁護士の年収平均は約1,400万円くらいといわれているものの、どのくらいの案件を対応できるか、どれくらいのクライアントを抱えることができるかによって、売上は大きく変動します。初年度の年収は、まだ顧客もいないことから年収は200万円~300万円程度と厳しめです。
その反面、すべて自身の裁量・ペースによって仕事ができるため、ワークライフバランスを保てる範囲で働くこともできます。
独立すると自分の裁量で仕事ができますが、それが最大のメリットでもあり、デメリットです。
法律事務所の種類
司法修習生のメインの就職先は「法律事務所」です。
しかし法律事務所と言っても、さまざまな法律事務所が存在します。
法律事務所は、日本に1万7000件以上あります。
そこでここからは法律事務所の種類について説明します。
五大法律事務所
日本にある法律事務所の中で、弁護士数が多い事務所の上位5位が「五大法律事務所」と言われています。
- 西村あさひ法律事務所
- アンダーソン・毛利・友常法律事務所
- 長島・大島・常松法律事務所
- TMI総合法律事務所
- 森・濱田松本法律事務所
弁護士数が1名、2名程度の小規模事務所が多い中、大手法律事務所はどの事務所も弁護士人数が400人以上です。
給与水準が高く、五大法律事務所での実務経験やキャリアがあるというだけで、弁護士業界の中でも一目置かれます。
その反面、業務が多く残業が続き体力が続かないといった方も多くいます。
詳しくは以下の記事でまとめていますのであわせてお読みください。
一般民事・刑事事件を扱う大手事務所
多様な案件を受注するのが一般民事・刑事を扱う大手事務所の特徴です。
相続・離婚・債務整理といった様々な案件を受けますが、どれも対個人からの依頼になります。
職場の雰囲気は、弁護士だけではなくパラリーガルや営業と他の職種の所員も多いため法律事務所というより企業に近いです。
福利厚生が整っており、休暇がとりやすいような環境の事務所も。
部署ごとに分かれており、事務局長・部門長など、管理職を目指すことができる事務所もあり、同じ事務所内で昇進をすることが可能です。
企業法務を扱う大手事務所
企業法務を扱う大手事務所には、語学スキルが高い弁護士が多く在籍しております。
企業法務業務を弁護士に依頼する企業の多くは海外との取引が多いためです。
弁護士やパラリーガルだけではなく、翻訳スタッフ・秘書・総務人事スタッフなど多数の職種が在籍しています。
一般民事・刑事事件を扱う大手事務所と同様、法律事務所というよりも一般企業のような職場の雰囲気です。
福利厚生が整っており、待遇が良い事務所もあるため、人気です。
一般民事・刑事事件を扱う中・小規模事務所
弁護士事務所で一番多いのが、一般民事・刑事事件を扱う中・小規模事務所です。
通称「マチ弁」と呼ばれており、主に個人から依頼を受けたり、いくつかの企業顧問を受けていることがほとんど。
所員数は全職種を合わせても1~5名程度で、所長の色が濃く出るケースが大半です。
自分の裁量で進めることができるため、残業を少なくすることができます。
クライアントと一緒に問題解決をしていき、感謝されていると感じる機会も多く、やりがいに繋がります。
企業法務を扱う中・小規模事務所
中・小規模といっても、大手事務所に負けないほどの専門性の高いサービスを提供している事務所が多いのも、企業法務を扱う中・小規模事務所の特徴です。
ベンチャー企業やIT企業の企業法務・コンサルを請負っており、少人数で案件をこなすため活躍できる場が多くやりがいがあります。
自分の裁量で仕事ができるため、残業もコントロールできます。
外資系法律事務所
2000年以降に増えてきた外資系事務所は、国際案件をメインとしている事務所のことです。
企業法務・M&A・金融、ファイナンス案件を主に扱っています。
取引案件は国際案件ですし、所内は外国人弁護士も在籍しており、英語でのコミュニケーションスキルが求められます。
外資系企業と似ている部分があり、自身の裁量で仕事ができるため残業を少なくコントロールすることができます。
あなたに合った就職先の選び方
ここからは、あなたに合う法律事務所の選び方について解説していきます。
どういう基準や判断軸で法律事務所の求人を検索すれば良いのか、いまいちピンと来ていない方は特に必見です。
年収重視なら「大手法律事務所」
とにかく年収を上げたい場合は、「大手法律事務所」がおすすめです。
特に五大法律事務所や企業法務の取り扱いが多い大手法律事務所です。
弁護士1年目の平均年収は約550万円程度ですが、五大法律事務所だけで言えば弁護士1年目でも年収は1,000万円以上。
約2倍近い収入を得ることができるため、高年収を目指したい弁護士はまず応募したいところです。
しかし、五大法律事務所は学歴や司法試験の成績が重要視されるため、非常に狭き門となっています。
学歴や司法試験に自信がない方は、五大法律事務所の内定は難しいかもしれません。
ただ、ご安心ください、五大法律事務所ではなくとも年収が高い事務所は多数存在します。
弊社リーガルジョブボードでは、高年収の求人を多数ご紹介できます。
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司法試験の成績や学歴が弁護士の転職活動に与える影響については、以下の記事で詳しく解説しているのであわせてご覧ください。
残業少を望むなら「中小事務所」
ワークライフバランスを重視している方は、「中小法律事務所」をおすすめします。
事務所の規模が小さければ小さいほど、自身の裁量で働ける職場が多いです。
そのため、大手事務所と比べると自分のペースでスケジュールや業務を組むことができます。
ただ、中・小規模事務所は、司法修習生や新卒ではなく「中途で即戦力になる人物」を求めていることが大半です。
もし司法修習後や新卒の場合は、学生の間に、法律事務所でアルバイトやインターンとしての実務経験があれば優遇してくれるケースがあります。
安定・残業少を望むなら「インハウスローヤー」
法律事務所ではありませんが、福利厚生やワークライフバランスを重視したい場合は「企業内弁護士(インハウスローヤー)」がおすすめです。
インハウスローヤーは企業に雇われるため、このご時世、労働環境改善のためサービス残業や不必要と思われる休日出勤などは、どの企業も減少傾向にあります。
どうしても残業過多になりやすい法律事務所とは違い、働き方改革が浸透している企業ではプライベートの時間は持ちやすいと言えるでしょう。
また、一般企業では福利厚生が充実しているのもメリットです。
収入面言うと年収や賞与がグッと上がることはありませんが、自身で案件を取ってくる必要はなく、一定の収入を得ることができます。
インハウスローヤーのなり方や業務内容・年収については以下の記事で詳しく解説しています。
事務所選びで失敗しないために調べるべきポイント
また、事務所選びで失敗しないためには、求人票や事務所のホームページで見るべきポイントがあります。
そこでここからは、法律事務所の求人をチェックする際、見るべきポイントについても解説します。
就職活動中はいろいろな求人情報を目の当たりにすることになりますが、求人に記載されている年収や待遇だけでは、その法律事務所の本質はなかなか見抜けません。
本当にリサーチすべき情報は何なのか、下記で解説していきます。
※下記で紹介する項目は、求人票には載っていない情報もあると思いますので、その場合は事務所のホームページなどをチェックしてリサーチしてみてください。
代表弁護士やパートナー弁護士の経歴
代表弁護士やパートナー弁護士の経歴をチェックしましょう。
理由は、「どういった内容の案件が多いのか」を予測できるからです。
例えば、さまざまな一般民事を扱っている事務所であっても、代表が以前不動産問題に強い事務所で働いていた場合、独立後も不動産問題の案件を多く扱っているケースがあります。
多くの弁護士は、以前働いていた時にクライアントを獲得していることが多いため、自然にその際に扱っていた案件に近しい案件の受注が増えます。
もしあなたが扱いたい案件の種類や希望する業務内容が明確である場合、「どういった案件を多く扱っている事務所なのか」を見極めるのは重要です。
それによって、希望する案件と実際の内容のミスマッチを避けることができるからです。
見極められないと、例えば「刑事事件を扱いたい」と思っていても、実際に入職してみたら違う案件がほとんどだった、というようなミスマッチが起こりえます。
事務所のホームページや、最近はSNSを利用している弁護士がいますので、求人票だけではなく代表やパートナー弁護士の経歴をチェックしてみてください。
所属弁護士の修習期
所属弁護士の修習期をチェックしましょう。
調べることができない事務所もありますが、ホームページに所属弁護士紹介などがあれば記載されていることがあります。
修習期をチェックする理由は、「弁護士の退職頻度を把握できるから」です。
もし、設立してからだいぶ時間が経過しているにもかかわらず修習期の若い弁護士が多い場合は、事務所側に何らかの問題(パワハラ・セクハラや明らかにおかしい勤務体制など)がある可能性があります。
もちろん、絶対に問題があると言い切れるわけではありません。以下のような事務所は、修習期が若い傾向にあります。
- 事務所自体が設立して間もない事務所
- パートナー支援制度や独立支援を行っている事務所
なので予測することはできますが、完全な内部事情を把握することはできません。
もし事務所のパワハラ事情や退職頻度を正しく把握したい場合は、弊社LEGAL JOB BOARD(リーガルジョブボード)にご相談いただければすぐに調査いたします。
また、リーガルジョブボードがご紹介する求人はすべて、職場口コミや内部事情を把握しているため、ミスマッチのない就職が可能となります。
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パートナーとアソシエイトの比率
パートナーとアソシエイトが、それぞれ何人ずつ所属しているのかもチェックしましょう。
基本的にはホームページに掲載されていると思います。
パートナーとアソシエイトの比率をチェックした方が良い理由は、「働き方を把握できるから」です。
例えば、パートナーとアソシエイトが1:1程度の割合であれば、パートナーがプレーヤーとして動いていることがほとんどで、パートナー・アソシエイトともに、案件を1から10まで1人の弁護士が対応しているケースが多いです。
一方で、パートナー1人に対しアソシエイトの人数が多い場合は、パートナーはマネジメントの立場の可能性が高いです。
この場合は、案件全体を対応するというよりも、案件が細分化され「一部分のみを担当する進め方をする」ことが多いです。
案件全体を対応する働き方を臨む場合はパートナーとアソシエイトの比率が1:1に近い事務所、チームとして案件をこなしたい場合はパートナーに対しアソシエイトが多い事務所を選びましょう。
弁護士以外の職種の所属
弁護士以外の職種の所属人数をチェックしておくことも、働き方を予想する上で重要です。
特に、パラリーガルや事務員の人数。
弁護士1人に対し、パラリーガルや事務員が5人以上いる事務所がありますが、そういう体制であればお願いできる事務業務を振り分けることができ、効率的に業務を進めることができます。
反対にパラリーガルや事務員が少ない事務所は、案件や案件に関する雑務まですべてを弁護士が行う必要があります。
中には自分のクライアントに関わることはすべて自分がこなしたいと考える方もいらっしゃると思います。
自分がどのように働きたいのかを叶える上で、パラリーガルや事務員の人数は業務の進め方を見る目安になります。
就職活動の開始時期やおすすめのタイミング
司法修習生が有利になる就活時期は、合格発表前と合格発表後です。
就職活動を始める際は、ここから説明する時期を目安に就職活動を始めると良いでしょう。
※就活は転職エージェントも併用することをおすすめします。転職エージェントを活用すると、自分で直接求人に応募するよりも、内定率がグッと上がるからです。理由は以下の記事をご覧ください。
司法試験の合格発表前(5月〜7月)
司法修習生が有利になる1つ目のタイミングは、5月〜7月頃です。
5〜6月頃から五大法律事務所の採用が始まるので、夏前から動いておくことで内定が出る可能性が高くなります。
もし早めの就活を始める気がなくとも、この時期から始まる事務所説明会やセミナー・サマークラークなどには参加しておくことをおすすめします。
就活の雰囲気や事務所の色、業務内容や空気などを肌で感じることができるからです。
司法試験の合格発表後(9月〜11月)
合格発表後である9月〜11月も、就活のベターなタイミングです。
9月〜11月も求人が増え始めるからです。
司法修習が始まるとなかなか就職活動に時間をさけなくなるので、この時期に徐々に開始しておくのも良いでしょう。
また、合格発表後にしか採用活動をしない事務所も稀にあるため、チェックしておきましょう。
11月には毎年、東京三弁護士会の合同就職説明会があるので、こちらも参加することをおすすめします。
司法修習の開始後
司法修習が開始された後も就活を始めるタイミングの一つです。
12月は大阪弁護士会で合同事務所説明会が開かれるので、参加することをおすすめします。
弁護士の方や、司法試験の結果に自信のある修習生の方は、就職活動を以上のような時期に始めると良いでしょう。
司法修習前の就職活動の注意点
しかし注意点が一つ。それは、携わりたい事務所の分野をよく吟味しておくことです。
弊社での就職事例を挙げますと、「とある事務所から内定が出たものの、その事務所が扱っている分野以外の分野に興味を持ってしまい、早期退職に繋がった」というケースがありました。
このケース、今年だけで3件ございます。それくらい、分野選びは慎重にならなければなりません。
修習前に決めたい方は、よく吟味して事務所選びをする必要があります。
事務所選びは前述している通りなので、参考にしていただければ幸いです。
就職活動エリアは都心部がおすすめである理由
最後に、就職活動の「エリア」に関するお話をしておきます。
就職活動は都心部(東京や大阪などの大都市)で行うことをおすすめします。
地方に在住している方は、就職活動を機に都心部へ拠点を移すことを検討されると良いかもしれません。
都心部での就職活動をおすすめする理由は以下の2つです。
求人数が圧倒的に多いから
弁護士の求人数は東京・大阪など大都市に多く、地方に行くほど少ない傾向にあるからです。
人口案件数が都心部に集中しているためです。
都心部で就職活動を行うと、求人同士の比較がしやすくなります。
よりあなたの希望に近い求人と出会える可能性が高くなるので、弁護士として描いているキャリアパスをより理想的に実現するためには、都心部で求人検索することをおすすめします。
年収が高くなるから
地方よりも、都心部の求人の方が年収が高くなる傾向にあります。
というのも、大手や中規模以上の法律事務所は都心部に集中しており、地方は中小規模の事務所が多いからです。
そのため、高年収を目指すためには都心部での就職活動がマストとなります。
例えば都心部の年収相場例を以下に記載しますと
このように、都心部の年収は高いです。地方の法律事務所の年収は、上記よりも低くなる傾向にあります。
高給与を目指している方は、東京や大阪など都心の大手事務所がおすすめになります。
法律事務所と企業内弁護士どちらを目指すべきか
ここまで法律事務所に関する就職活動について解説してきましたが、「そもそも法律事務所と企業内弁護士(インハウスローヤー)、どちらを目指したら良いか判断がつかない」という方に向けて補足します。
法律事務所とインハウスローヤーどちらを目指すべきかは、その方がどのように働きたいのかによります。
例えばインハウスローヤーは、法律事務所に比べると以下のようなメリットがあります。
- 福利厚生が充実している
- ワークライフバランスが整っている
- 事業・ビジネスに貢献できる
など。
こういった働き方を重視したい場合は、インハウスローヤーもおすすめです。
ただし、インハウスローヤーから法律事務所へ復帰するのはなかなか難しいのがデメリットです。
そのため、司法修習生は基本的に「法律事務所」からキャリアをスタートし、その後、法律事務所とインハウスローヤーどちらでキャリアを深めていくのかを改めて検討するケースが多いです。
また、法律事務所とインハウスローヤーの違いの一つに「年収」もあります。
法律事務所で働く弁護士の平均年収は「約1,000万円」であり、裁量次第では2,000万円を越える弁護士も珍しくありません。
一方でインハウスローヤーの平均年収は、年齢や実務年数にもよりますが「650〜1,000万円」です。
一般的な職種に比べると高いですが、法律事務所や弁護士事務所よりは低い傾向にあります。
しかし、所属する企業の福利厚生や待遇が他の社員と同じように適用されるので、入社する企業によっては恩恵を受けることも可能と言えるでしょう。
忙しくても高収入を目指したい方は法律事務所、収入よりプライベートを大切にしたい方はインハウスローヤーを選択するケースが多いです。
ただし前述したように、インハウスから法律事務所へ返り咲くのはなかなか難しいため、キャリアをスタートさせるならまずは「法律事務所」を推奨します。
弁護士は転職エージェントを活用すると内定が出やすい理由
弊社LEGAL JOB BOARD(リーガルジョブボード)では、弁護士求人を多数ご紹介できます。
就職活動中の司法修習生や弁護士の方はお気軽にご連絡ください。
リーガルジョブボードは弁護士専門の転職エージェントサービスです。
ご登録いただくと、転職相談や求人紹介が受けられるだけではなく、求人の職場口コミやブラック度の情報提供いたします。
ウェブサイトには掲載されていない、登録者限定の「非公開求人」を数多くご紹介。
また転職エージェントは以下のサポートも提供するため、あなたの転職活動がグッと有利になります。
- 選考突破のための書類・面接対策の徹底
- 今のあなたが転職で実現できうる推定年収の算出
- キャリアパスの策定やご相談
実は自分で求人に応募するより、転職エージェントを経由して応募した方が内定率がグッと上がるのをご存知でしょうか?
その理由は以下の記事で解説しているので、あわせてご覧ください。