渉外弁護士とは?仕事内容や役割
明確に定義はされていませんが、渉外弁護士とは外国が関わる企業法務案件をメインとしている弁護士のことを指すことがほとんどです。
渉外弁護士の業務は、
- アウトバウンドの業務(国内企業による外国企業の買収や合併・業務提携・国外での金融取引・訴訟など)
- インバウンドの業務(外国企業による日本企業の買収や合併・業務提携・国外での金融取引・訴訟など)
基本的には各国の法律に触れないように国内企業と国外企業をつなぐことが、渉外弁護士の役割です。
渉外弁護士になるには?
渉外弁護士になるには、渉外案件を扱う法律事務所に入所する必要があります。
渉外系の法律事務所といっても、渉外案件を多く扱ているけど国内法務案件もあったり、様々な案件を抱えている事務所があります。
自分がどういう経験を積んでいきたいのかを考え、希望する事務所を選択します。
渉外弁護士と言えば、渉外案件を多く抱える五大法律事務所へ入所を目指す方もいらっしゃいます。
五大法律事務所とは下記の大手事務所です。
- 西村あさひ法律事務所
- アンダーソン・毛利・友常法律事務所
- 長島・大野・常松法律事務所
- 森・濱田松本法律事務所
- TMI総合法律事務所
以前は渉外案件中心だった五大法律事務は、1994年《外国弁護士による法律事務所の取り扱いに関する特別措置法の改正》によって、国内企業の法務業務を増やし取り扱うようになりました。
それは、上記の改正により日本進出してきた欧米系法律事務所にシェアを奪われはじめたのが原因です。
下記では、五大法律事務所の特徴や転職に必要なことについて解説しています。
渉外弁護士に求められるスキルや条件
渉外弁護士が活躍するために求められるスキルや条件をお話します。
語学力
渉外弁護士は国外の案件を多く扱いますので、英語力は大切です。
外資系事務所で勤務している渉外弁護士は、TOEICでいうと満点レベルの方が揃っています。
渉外弁護士の求人ではTOEIC850点以上を必須条件としていることが多く、ビジネスで問題なく英語を使えるレベルを求めています。
企業法務業務の経験・上場企業案件の経験
渉外弁護士は企業法務案件を扱いますので、企業法務の経験がある方は有利になります。
また、上場企業の案件を経験していると企業活動の仕組みを熟知することができるので更に好印象を与えることができます。
もちろん未経験であっても入所することは可能ですので、必ずしも経験していなければいけないということではありません。
クラークの参加
司法修習生はクラークに参加することをおすすめします。
それは、履歴書や面接という少しの情報では自分のすべてをアピールすることが困難なためです。
また、渉外弁護士が多く活躍する五大法律事務所へ入所するためにはクラークは必須の事務所もあります。
ぜひ、サマークラークやウィンタークラークには参加してください。
下記では、クラークのメリットや注意点についてお話していますので参考にしてください。
司法修習試験の成績を気にするが、すべてではない
司法試験の順位や学歴を気にする法律事務所・弁護士事務所がほとんどです。
特に、1年目~3年目の新人弁護士ほど、採用側が司法試験の順位や学歴を気にするケースがあります。
それは、弁護士としての知識はもちろんのこと、地頭の良さを求めているためです。
例えば五大法律事務所に入社するためには、司法試験100位以内でないと入れないと言われるほどです。
しかし、すべての事務所が成績を気にするかというとそうではありません。
下記では、司法試験の順位や成績が転職に与える影響についてお話しています。
渉外弁護士の年収
渉外弁護士は他の弁護士と比べ、年収に大きく差が出るわけではありません。
だいたい年収1,000万円程度ですが、どこへ入所するかによって大きく差が出ます。
渉外弁護士が高給与を目指すためには、五大法律事務所といった大手事務所や外資系事務所に入所するといいでしょう。
一般的に初任給で1,000万円を超え、アソシエイトで3,000万円を超えるのも可能で、パートナーになると億も目指せます。
渉外弁護士のキャリアプラン
渉外弁護士のキャリアで、一番多いのはアソシエイトからパートナーになることです。
ただ、パートナーになるためには経験やどれくらい事務所に貢献できているかなど厳しい基準をクリアしなくてはいけません。
他の渉外系事務所へ移籍してステップアップをする道もありますが、近年増えているキャリアとしては《企業内弁護士》として経験を積むことです。
企業内弁護士になると渉外弁護士時代と比べ収入が下がる可能性もありますが、働き方や福利厚生の充実などが魅力で一般企業に所属したいという弁護士の方が増えてきました。
インハウスローヤーとして高収入を目指したいという方は、外資系企業の弁護士という道もいいでしょう。
忙しいですが、比較的高収入を見込めます。
下記の記事では、企業内弁護士の年収について詳しくまとめていますのでぜひ参考にしてください。
渉外弁護士は激務なのかどうか
渉外弁護士は、比較的忙しいです。
それは、取り扱っている業務に関する作業量が多いことが原因です。
国際的な契約は、商慣習が異なる会社間で結ばれるため、仔細なことも契約書に落とし込みます。
これを丁寧に読み解いて一つ一つ修正していくのは大変な作業です。
また、M&Aのデューデリジェンスも渉外弁護士の仕事ですが、買収対象の会社がこれまでに結んできた膨大な契約を一つ一つ精査し報告しなければならず、大変地道で時間を要する作業です。
しかも、M&Aは短期集中で行われるため、この期間は非常に過酷な状況になります。
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