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渉外弁護士とは?年収・仕事内容・なり方を解説|英語力や国際弁護士との違いも

渉外弁護士とは?年収・仕事内容・なり方を解説|英語力や国際弁護士との違いも

by LEGAL JOB BOARD 森田

転職エージェント

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渉外弁護士とは?年収・仕事内容・なり方を解説|英語力や国際弁護士との違いも

こんにちは。弁護士の転職エージェント「リーガルジョブボード」の森田です。

本記事では、「渉外弁護士のなり方や年収・求められるスキル」などを網羅的に解説します。

具体的には、

  • 渉外弁護士の仕事内容
  • 渉外弁護士と国際弁護士の違い
  • 渉外弁護士になる方法や必要条件

などの内容です。年収や忙しさについてもまとめています。

渉外弁護士に興味をお持ちの方や、渉外弁護士への就職・転職を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

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渉外弁護士とは?仕事内容や役割

明確に定義されていませんが、一般的に渉外弁護士は、海外との企業法務案件をメインで扱う弁護士を指します。

渉外弁護士の業務には、以下のようなものがあります。

  • アウトバウンド業務
    日本企業による海外企業の買収や合併・業務提携・国外での金融取引・訴訟など
  • インバウンド業務
    海外企業による日本企業の買収や合併・業務提携・国外での金融取引・訴訟など

各国の法律に抵触しないよう注意しながら、日本企業と海外企業を繋ぐのが渉外弁護士の役割です。

渉外弁護士と国際弁護士の違いは?

渉外弁護士と近しい言葉に「国際弁護士」があります。国際弁護士とは、国際的な案件を扱う弁護士の総称です。

国際弁護士は、保有している弁護士資格に応じて、以下の3パターンに分類できます。

① 日本の弁護士資格だけを有し、事実上、海外案件を扱っている場合
② 日本と外国で複数の弁護士資格を有している場合
③ 外国の弁護士資格のみを有している場合

①の場合、法曹界では一般的に「渉外弁護士」と呼ばれます。渉外弁護士の仕事内容は、前述の通りです。

②に当てはまる弁護士は、日本では外資系の法律事務所や、5大法律事務所などに所属しているケースが多いです。日本だけでなく、弁護士資格を有している国・地域でも弁護士活動が行えるため、活躍の幅が広がります。

③の場合にも、日本で「国際弁護士」を名乗っていることがあります。ただし、日本の弁護士資格を持っていないので、日本での弁護士活動は行うことができません。「外国法事務弁護士」として日弁連に登録すると、原資格国の法律と条件付きで日本以外の第三国の法律(指定法等)事務を行えます。

渉外弁護士になるには?

渉外弁護士になるには、渉外案件を扱う法律事務所に入所する必要があります。

渉外系の法律事務所といっても、渉外案件がメインで国内法務案件も抱えていたり、様々な事務所があります。自分がどんな経験を積みたいか考え、希望する事務所を選択しましょう。

なかには、渉外案件を多く抱える五大法律事務所への入所を目指す方もいます。五大法律事務所とは、国内トップクラスの規模を誇る以下の法律事務所です。

  • 西村あさひ法律事務所
  • アンダーソン・毛利・友常法律事務所
  • 長島・大野・常松法律事務所
  • 森・濱田松本法律事務所
  • TMI総合法律事務所

五大法律事務所は、以前は渉外案件を中心としていましたが、1994年《外国弁護士による法律事務所の取り扱いに関する特別措置法の改正》をきっかけに、国内企業の法務業務を多く取り扱うようになりました。日本進出してきた欧米系法律事務所にシェアを奪われはじめたのが原因です。

五大法律事務所について、詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

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渉外弁護士に求められるスキルや条件

渉外弁護士に求められるスキルや条件を解説します。

語学力・英語力

渉外弁護士は海外案件を多く扱うため、英語などの語学力が必要です。

具体的には、TOEIC850点以上を必須条件(目安)としていることが多く、ビジネスレベルの英語を問題なく使える方が歓迎されます。

また、外資系の法律事務所などは、TOEIC満点レベルの英語力が求められることもあります。

クラークへの参加

新卒で渉外弁護士を目指すならば、クラークに参加するのがおすすめです。

クラークに参加することで、履歴書や面接ではアピールしきれない部分を、事務所や先輩弁護士に伝えられるはずです。特に、五大法律事務所を目指す場合は、クラークへの参加がより重要でしょう。

サマークラークウィンタークラークには、ぜひ積極的に参加してください。

司法試験の成績

応募倍率の高い法律事務所や、司法修習生から人気の法律事務所は、司法試験の結果を重視する傾向にあります。具体的には以下のような事務所です。

  • 企業法務系の法律事務所
  • 五大法律事務所
  • 大手や準大手の法律事務所
  • 外資系法律事務所

これらの事務所では、多数の応募者を一定数に絞ったり、地頭の良さを測ったりするために、司法試験の成績が参照されます。例えば、五大法律事務所を目指す場合、司法試験の総合順位300位以内が目安です。

しかし、全ての事務所が成績を気にするわけではありません。司法試験の順位や成績が就職・転職に与える影響については、以下の記事をご覧ください。

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企業法務・上場企業案件の経験

渉外弁護士は企業法務案件を扱うため、中途採用の場合は、企業法務の経験があると有利でしょう。

特に、上場企業の案件を経験していると、企業活動の仕組みを熟知しているとみなされ、より好印象を与えることができます。

未経験であっても入所することは可能ですので、必ずしも経験が必要というわけではありません。

渉外弁護士の年収

渉外弁護士の年収は1,000万円前後が目安です。どの事務所に入るかで年収に差が出ます。

高給与を目指すのであれば、五大法律事務所などの大手事務所や、外資系法律事務所に入所するのがおすすめです。

そのような事務所では、1年目から年収1,000万円を超え、アソシエイトは年収3,000万円を超えるのも可能でしょう。パートナーともなれば、それ以上の収入を目指すことができます。

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渉外弁護士は激務なのか

渉外弁護士は多忙になりがちです。取り扱う業務の性質上、作業量が多くなってしまうことが関連していると思われます。

国際的な契約は、商慣習が異なる企業間で結ばれるため、仔細なことも契約書に落とし込みます。これを丁寧に読み解き、修正していくのは大変な作業です。

また、M&Aのデューデリジェンスにおいても、買収対象の企業が結んできた膨大な契約を一つずつ精査して報告しなければなりません。加えて、M&Aは短期集中で行われるため、この期間は非常に過酷な状況になります。

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この記事の執筆者

LEGAL JOB BOARD 森田

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  • 弁護士

リーガルジョブボードの弁護士・司法修習生などを専門とする転職エージェント。多数の紹介実績を持つ。希望に沿った就職・転職先の紹介や、 転職相談会・キャリアカウンセリングを随時開催中。転職のちょっとした疑問や心配ごとでもご相談いただけますので、お気軽にご連絡ください。

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