基本となる履歴書の書き方
始めに基本となる履歴書の書き方をお話します。
まず、履歴書や職務経歴書は第一印象が大切です。
パッと見ためで、真剣に丁寧に作成したのか、流れ作業のように仕上げたのかはわかります。
採用側が「この人は誠実で、本気でうちの事務所に入所したいと思っていそうだな!」と思う履歴書は、内容を読まなくてもわかるものです。
手書きかパソコンで作成しているかなどは関係なく、丁寧に空欄が無いように見やすく仕上げます。
基本の書き方は下記の記事で詳細にまとめています。
面接時に面接官が履歴書をしっかり読んでないと感じることが多いですが、履歴書作成に手を抜かないようにしましょう。
弁護士業界は忙しく、その間に採用活動を行うので、面接時までに応募者全員の履歴書を隅々読み込むことは難しいことがあります。
しかし、最終的な合否を決定する時に必ず履歴書を再度確認されます。
他者比較の時に履歴書を見て判断することも多いので、履歴書は必ず作り込んでおきましょう。
好印象を与えるためのポイント
好印象を与えるためのポイントを下記で解説していきます。
志望理由+自己PR
履歴書の志望動機欄を埋める方もいらっしゃいますが、基本的に志望動機や自己PRは別の用紙に書くようにしましょう。
そもそも、履歴書の志望動機欄は小さいため思っていることをすべて書くことは難しいかと思います。
書くときは、A4用紙に1枚内、長くても2枚までで簡単にまとめるようにしましょう。
忙しい弁護士にとって、あまり長い文章を読むのは面倒に感じてしまいますので、長くならないように注意が必要です。
アルバイト経験もアピールになる!
司法修習生の中には、アルバイト経験がある方もいらっしゃるとおもいます。
アルバイトをする中で感じたことや達成したことなどを自己PRに入れ込んでもOKです。
何を感じたのか、達成したのかなどはその人の考え方や価値観を表すことができます。
【例文】
「塾講師のアルバイトで保護者とのトラブルに対応した時、保護者に寄り添い話し合いを重ねることで、問題解決に導きました。弁護士になっても、クライアントに徹底的に寄り添える弁護士になりたいと考えており、クライアント第一の理念を掲げている貴所に魅力を感じています。」
司法試験の順位
司法試験500位以内、四大・五大法律事務所希望なら100位以内であれば好印象を与えることができます。
司法修習生の場合、履歴書や職務経歴書と一緒に司法試験の結果を提出することがほとんどなため、履歴書などに記載しなくても順位はわかります。
そのため、順位に自信がない方は記載しない方がよいでしょう。
自信のある順位だった方は記載することで、よりアピールすることができます。
志望動機を作るポイント
志望動機を作るポイントは下記になります。
弁護士になろうと思ったきっかけ
司法修習生の志望動機を作る時、弁護士になろうと思ったきっかけを絡めて書くとあなたの考えも一緒に伝えやすくなります。
- 単純に弁護士に憧れていた
- 法律学に面白みや魅力を感じた
- 専門性の高い仕事がしたい
上記のように考えたのがきっかけだという方は多いですが、そういう想いやどうしてそう思ったのかを書くとよいでしょう。
【例文】
貴所は、労働問題など生活に密着している案件を多く扱っており、人々の生活に貢献したいと考えている私が目指す弁護士像に近づけると考えております。
自分の体験したエピソードを踏まえて具体的に説明すると尚良し。
より志望動機に熱を持たせるために、自身の体験やエピソードを踏まえるのは効果的です。
【例文】
「在学中、法律サークルに参加しており、実際に困っている方々にアドバイスをさせていただく機会がありました。法的トラブルを一緒に解決する中で喜びをしり、法的知識をいかし社会貢献がしたいと考えるようになりました。」
上記のように実際のエピソードを一緒にいれることで、真実味が増します。
この事務所でなくてはならない理由
何より、応募先でなくてはならない理由が必要です。
- 事務所の考え方に共感できる
- 自分が目指す弁護士像に近づくために必要な経験がつめる
上記のようなことが考えられると思います。
応募先により、理由は違いが出てくると思いますので、必ず応募先ごとに志望動機は変えるようにしましょう。
【例文】
貴所を志望しますのは、貴所が理念に掲げている「〇〇」に共感し、私自身も依頼者に寄り添い評価される弁護士になりたいからです。
私は、専門的な知識で多くの問題を解決し人々の生活に貢献したいと考え、法学部に進みました。
トラブルを解決するためには、今まで勉強してきた知識に加え、私の長所でもあるチャレンジ精神や向上心が大切と考えております。(長所をアピールできるエピソードなどがあると尚よし)
貴所は、労働問題など生活に密着している案件を多く扱っており、人々の生活に貢献したいと考えている私が目指す弁護士像に近づけると考えております。
自己PRを作るポイント
次は自己PRを作るポイントを解説していきます。
自分はどんな人物なのかを簡単に書く
「私は、積極的で行動力があります。」というように、簡単に自分はどんな人物なのかを書くのも良いでしょう。
そして、その後にそれをアピールできるエピソードを書いていきます。
例えば、この場合だと「積極的で、行動力がある」という性格なので、
「大学時代は、100名以上の部員が所属するクラブに入部し部長を務めることで様々なイベントを成功させてきました。自分とは全く違う考えや経験を持った部員をまとめるのは大変でしたが、積極的に個々と交流するよう努めることで、クラブをまとめることができました。」
上記のように書くことでどんな人物なのかをより分かりやすく伝えることができます。
エピソード例
また、エピソードを書く際は
- 学生時代に努力したことや熱中したこと、達成したこと
- アルバイト経験
などを書くことが多いでしょう。
【例文】
「幼いころより弁護士に憧れておりましたので、早くに弁護士実務を体験したいと考えエクスターンシップに参加しました。派遣された弁護士事務所では、民事事件について訴訟・準備書面・答弁書を何度も提出し、修正をしながら起案しました。弁護士としても、どんな事件であっても、努力を惜しまず常に全力を尽くすことで、ニーズに応えたいと考えています。」
「塾講師のアルバイトで保護者とのトラブルに対応した時、保護者に寄り添い話し合いを重ねることで、問題解決に導きました。弁護士になっても、クライアントに徹底的に寄り添える弁護士になりたいと考えております。」
上記のように、経験したエピソードに加え、それがもとで考えたことを一緒に書くと思いが伝わりやすくなります。
どの分野に興味を持っているのか。
自己PRを作成する際に、どの分野に興味を持っているかを書くことがあります。
なぜ興味があるのかを解説することで自身の考え方をアピールすることができます。
例えば、
「民事訴訟法のゼミに参加し、弁護士として身近に起こる問題を法的に解決する面白みを学び、一般民事に興味を持っています。」
しかし、実際に現場に出ていない司法修習生の場合、想像や理想の内容になってしまうこともあるため、どの分野に興味を持っているかは必須ではありません。
注意点
注意点を下記でお話していきます。
事務所によって、内容をカスタマイズ
履歴書の内容を使いまわしすることはやめてください。
自身の考え方で、希望事務所の系統が似ることはありますが、全く同じ事務所はありません。
その事務所を志望する動機や、その事務所だからこそ有効な自己PRを応募事務所ごとに作成します。
当たり障りのない、どの事務所にも当てはまるような内容は、採用側には響きません。
「うちの事務所のことをよく見ているな!本当に入所を希望しているんだな」と思ってもらえるように意識しましょう。
履歴書をメールで送る時はPDF
履歴書をメールで送る際、ExcelファイルやWordファイルのまま送る方がたまにいますが、基本的に事務所側から指定がない場合は書類を送る時はPDFへ変換して送るようにします。
また、一般的に使用されていないソフトを使用してそのままの形式で送ると相手側が開くことができません。
届いたときに全部のデータがしっかり見え、見やすいように気を付けてください。
よくある質問、Q&A
下記では、よくある質問に対して回答をしていきます。
事務所の呼び方は
法律事務所のことは「貴社」「御社」とは呼びません。
履歴書では「貴所」口頭では「御所」というのが正解です。
履歴書サイズについて
市販の履歴書サイズはB4であることが多く、インターネットなどにある履歴書のテンプレートはA4が多いのでどっちのサイズがいいのか質問されることがあります。
結論は、どちらでもOKです。
ビジネスの一般的なサイズでいうと、A4やA3の用紙を使用されることが多いので、他の書類と管理することを考えると、A4の方がいいと考える方もいらっしゃるようです。
運転免許など、弁護士に関係のない資格も書く必要はありますか?
基本的に、弁護士に関係のない資格でもすべて記入します。
しかし、持っている資格が多く記入する枠が足りない場合は、優先度の高い資格を書くようにしましょう。
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