土地家屋調査士

【土地家屋調査士】大手の特徴や得られるスキル・転職方法

by LEGAL JOB BOARD 篠原

コンサルタント

担当職種:
  • 土地家屋調査士
  • 測量士

こんにちは。土地家屋調査士の転職エージェント「リーガルジョブボード」の篠原です。

転職先の候補として「大手」を検討される方は一定数いらっしゃいます。

ただし土地家屋調査士の業界の場合、いわゆる「大手法人」や「大手事務所」といった「概念」は存在しません。

ですが、「規模が大きく、安定している」法人や事務所は存在しますので、これを本記事では「大手」と表現させていただきます

そこで今回は、「大手の土地家屋調査士法人のご紹介」と「大手で得られるスキル」「大手への転職方法」について解説します。

転職先の候補の一つとして「大手」を検討する方はいらっしゃることと思います。

ただ、大手のメリットやデメリット・注意点について詳しく知る機会がないのも事実です。

そこで本記事をご覧いただくことで、大手に転職すべきかどうかの判断がつくようになるはずです。

調査士に大手法人はあるのか

冒頭でお伝えした通り、調査士業界では、大手の法人や事務所という概念はありません。

しかし、規模が大きく安定している法人や、たくさんの支店を抱える事務所は存在し、これらを「大手」と表現することはたびたびあります。

そこでまずは、「大手」と表現でき調査士法人・事務所の基準をお話します。

ここを把握しておくと、大手の求人を見極めやすくなるでしょう。

「大手」とされる調査士法人・事務所の規模の基準

以下のような規模があると、いわゆる「大手」に分類されると思って問題ありません。

大手とされる「個人事務所」の規模の基準

個人事務所の場合、「土地家屋調査士と補助者合わせて10人以上が所属する事務所」は大手の個人事務所と言えます。

個人事務所には、だいたい3人ほどの土地家屋調査士が所属しているのが平均的です。

10人以上所属しているところは、いわゆる「大手」と捉えて良いでしょう。

大手とされる「法人」の規模の基準

一方で法人の場合、「土地家屋調査士が15人以上が所属すれば大手法人」と言えます。

そもそも個人事務所に比べて法人は規模が大きいです。

人数が多ければ案件の数も多いです。

「個人事務所」と「法人」それぞれの違いや特徴

個人事務所と法人の大手基準は把握していただいたと思います。

一方で「個人事務所と法人ってそもそもどう違うのか?」と疑問を抱かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

個人事務所と法人それぞれの違いや特徴についてもまとめておきます。

個人事務所の特徴

個人事務所の特徴は以下です。

業務を自分一人ですべて行うことが多い

  • 一人前になるまでが早い
  • 収入は事務所によってバラバラだが、出来高によって高収入な人もいる
  • 福利厚生は、事務所によって差がある

個人事務所は、基本的に一人業務を行うことが多いです。

そのため、測量から登記までの業務を3年くらいあればできるようになります。

給与形態は事務所によってバラバラですが、基本給は低く、ボーナスなどで還元するところが大多数を占めるでしょう。

一方で、小さめの事務所だと扱える案件数が少ないため、クライアントの影響をもろに受けるといった懸念点もあります。

安定性・社会的信頼度においては、法人に比べると低いです。

※法人と個人事務所の違いについて、より理解を深めたい方は以下の記事をご覧ください。

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法人事務所の特徴

続いて、法人事務所の特徴を以下にまとめます。

  • 分業型を採用していることが多い
  • そのため部門ごとの専門性が高まる
  • 収入が比較的安定する・社会的信頼度が高い
  • 福利厚生が整っている

法人の場合だと、人数が多いため分業しているところが多いです。

こなす案件数も多いため、いかに「効率的に」「早く」業務を遂行できるかどうかが鍵となってきます。

案件は多いですが、その分調査士や補助者も多く、給与はそこまで高くないです。

しかし、法人をするにあたってある程度の売り上げがないと法人化できないため、社会的な信頼度や安定性は法人の方が高いと言えます。

個人事務所に比べて昇給が遅く、役職に着くまで・一人前に業務をこなせるようになるまでに時間がかかります。

大手で得られるスキル

大手で得られるスキルは、「大手法人」「大手の個人事務所」それぞれ異なります。

法人の場合、

  • スピード感が身に付く
  • 専門性が深まる
  • チームワークが身に付く

が得られるスキルです。

一方で大手の個人事務所は

  • 裁量を持って案件を回せるようになる
  • 一貫して業務を覚えることができる
  • 幅広い知識が身に付く

です。

それぞれに強みやメリットがあるので、二つの間に優劣は存在しません。
どのような働き方をしたいのかを考え、転職先を検討すると良いでしょう。

就職先選びでお悩みの土地家屋調査士の方は、ぜひリーガルジョブボードにご相談ください。土地家屋調査士の専任エージェントが、あなたの希望に沿った求人をご紹介するほか、キャリアに関する相談もお受けいたします。

大手へ転職する際の注意点

ここからは注意点をお話します。

大手へ転職する際は、必ず「測量から登記までをどれくらいの期間でできるのか」を採用担当者に伝えるようにしましょう。

個人事務所への転職で特に多いのですが、せっかく転職できたものの、「転職先のスピード感についていけずに挫折してしまった」というケースがたまに起きます。

なので、転職前に自分自身のスピード感を伝えることで、お互いの認識の齟齬をなくすことができます。

もちろん、これまでの経験や実績・身に付けてきたスキルもお話してください。

実際にあった例

実際にあった、ミスマッチが生じた例をご紹介します。

個人事務所から、大手の少し忙しめの事務所へ転職した方のお話です。

その方は、以前働いていた事務所で測量から登記まで一通りこなせていました。

転職先も、ぜひ最前線で働いて欲しいとのことで採用が決まりましたが、実際に働いてみると、大手事務所のスピード感についていけず退職してしまったのです。

「業務をこなせること」と「業務を一人前にこなせること」では、意味が違ってきます。

業務が一通りできるようになるだけでなく、どのくらいのスパンで効率よくこなせるかがポイントです。

特に、給料が良く案件数の多い事務所に転職した場合、スピード感をかなり求められるでしょう。

個人事務所は、悪い意味でも自分の裁量で仕事ができてしまうため、規模感の異なる転職先で苦労することが多いそうです。

それを踏まえ、どうしたらスピード感を身に付けられるかを説明します。

大手への転職を見据えたスキルアップの方法

大手へ転職を見据える場合、スピード感を身につけることが大事ですが、その方法は「自分が平均どのくらいの時間で、測量・登記ができるかを知ること」です。

大体の感覚ではなく、可視化したデータ(案件ごとにかかった時間や日数をメモするなど)を作ると成長にも役に立ち、転職でももちろん役に立ちます。

結果も大事ですが、自己の成長のためにプラスαの努力ができる点でも評価されるでしょう。

特に、コロナの影響を受けた個人事務所で働いている方は、案件が減り、モチベーションも下がってしまいがちです。

自分のためになる新しい習慣を作ってみると、少しやる気が出るかもしれません。

転職先で辛い思いをしないために、今のうちから始めることをオススメします。

大手と中小、どちらに転職すべきか

安定性を求めるならより大きい法人、自由に働きたいならより小さい個人。

目指すライフスタイルや、やりたいことは十人十色で、それは事務所も同じです。

どんな職場を目指しているのか、顧客サービスを追求するかは事務所ごとに異なります。

転職する際に重要なこと

大手に限らず、転職でそもそも大切なことは「あなたがどのような経験を積みたいのか」です。

「新しいことをしたい」「残業を減らしたい」「安定した職場が良い」「年収を上げたい」

など、あなたが本当に求めているもの・絶対に譲れない転職理由を明確にしましょう。

それを踏まえた上で、自分が抵抗感なく働ける事務所がどこなのかを考えてみてください。

転職や就職でお悩みの土地家屋調査士の方は、ぜひリーガルジョブボードにご相談ください。土地家屋調査士の専任エージェントが、あなたの希望に沿った求人をご紹介するほか、キャリアに関する相談もお受けいたします。

【必見】 誰もがやってしまいがちな転職活動の落とし穴

最後に、転職活動で「あまりやってはいけないこと」について補足しておきます。

それは、「面接前にいろいろ聞きすぎてしまうこと」です。

情報収集することも大事ですが、面接前に質問しすぎてしまい、事務所側が「こんなに細かく聞いてくる人は嫌だ」とのことで面接中止に…そんな実例もあります(その方は、実務レベルを越えるような質問をされていました)。

※ただ転職エージェントを介せば、残業や育休制度、代表の方の雰囲気や1日の業務の流れなど、ありとあらゆる情報を聞くことができます。

事務所の情報を1〜100まで聞くのは正直難しいでしょう。

事前に情報収集をする際は、事務所選びの際に必要な的を得た質問のみをするよう心がけ、残りは面接で聞くようにしましょう。

様々な情報に左右されるよりも、その事務所で何を学べるか、事務所の目指す働き方などを重要視した方が良いと思います。

あくまでも事前の情報はエージェントを介すため、若干の誤差が生まれてしまう可能性は大いにあります。

面接を通して体感で伝わることの方が多いため、そこで気になることがあれば質問してみてください。

転職のご相談や、大手の求人紹介を受けたい方は弊社リーガルジョブボードにご登録ください。土地家屋調査士の専任エージェントが、あなたの希望に沿ったキャリア実現をお手伝いいたします!

この記事の執筆者

LEGAL JOB BOARD 篠原

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