司法書士口述試験とは
司法書士口述試験とは、司法書士として必要な能力や資質があるのかをチェックされる最終試験です。
司法書士試験に合格するためには7月に行われる筆記試験、10月に行われる口述試験のどちらも合格する必要があります。
口述試験を受けるためには、まずは筆記試験の合格が必要です。口述試験の日程は筆記試験の合格発表があってから、約2週間後。
口述試験の受験票は筆記試験の合格通知と一緒に、合格発表の翌日~4日後程度で到着します。
筆記試験合格が確定してからあまり時間がないので、基準点発表で自身の出来を確認し合格ラインに達していたら早めに準備を始めるとよいでしょう。
令和4年度の司法書士口述試験
司法書士口述試験の日時
【2022年度(令和4年度)口述試験の日程】
2022年10月24日(月)
※「午前」「午後」のどちらかの組に分かれて実施
口述試験は例年、10月の中頃に実施されます。実施は平日になるため、すでに社会人として働いている方は、有給休暇などを取得し休めるように調整が必要です。
また、時間は「午前」「午後」に振り分けられ、どちらかの時間に受験します。例年、住まいと試験会場の距離によって午前なのか午後なのかを指定される傾向にあるようです。
試験会場
口述試験の会場 | 筆記試験受験会場 |
東京 | 東京、横浜、さいたま、千葉、静岡 |
大阪 | 大阪、京都、神戸 |
名古屋 | 名古屋 |
広島 | 広島 |
福岡 | 福岡、那覇 |
仙台 | 仙台 |
札幌 | 札幌 |
高松 | 高松 |
口述試験の会場と集合場所は、合格発表後に届く「口述試験の受験票」に記載されています。
最終合格発表日程
【最終合格発表】
2022年11月11日(金)午後4時
口述試験が終われば、いよいよ最終合格発表です。日程は2022年11月11日(金)の午後4時。
合格者の発表は、「筆記試験の受験地の法務局に掲示」「法務省のホームページに掲載」の2つの方法で行われます。
また、後日官報に合格者の受験番号と氏名が掲載されます。中には記念に購入する方もいらっしゃるようですね。
口述試験の内容
【口述試験の出題範囲】
- 司法書士法
- 不動産登記法
- 商業登記法
口述試験は上記の3科目の中から出題されます。3科目、計10問程度の出題がされ、所要時間は一人当あたり約10分程度です。
この3科目は筆記試験の範囲でもあるため、すでに頭に入っている方も多いでしょう。
筆記試験をクリアした方であれば新しく勉強する必要はないかと思いますが、慣れない口述試験ではなかなか言葉が出てこないことも考えられます。「口に出して回答する練習」をしておいた方がよいでしょう。
質問例
【不動産登記法】
- オンライン申請の場合、申請情報・添付情報には誰が電子署名するか?
- 仮登記とは何ですか。
【商業登記法】
- 管轄外に本店移転する場合、新本店所在地分の申請書はどこに提出するか?
- オンライン申請の対象となるものを挙げてください。
【司法書士法】
- 司法書士の業務を3つあげよ
- 司法書士が登録制度になっている理由は?
司法書士口述試験の合格率
司法書士試験全体の合格率は例年、3%から4%程度で推移しておりますが、司法書士口述試験の合格率はほぼ100%と言われております。
筆記試験まで突破した方であれば、ほとんどの方は合格しているということです。試験中、緊張しすぎて言葉が出てこなかったら、試験官の方から助け舟をだしてもらったという話も。
試験官の方も、基本的に合格するように進めてくださるようです。
合格率は高い試験なので、落ち着いて挑みましょう。
口述試験の対策
上記でもお話しした通り、ほぼ100%の方が受かる口述試験ですので、落ち着いて回答できれば問題ありません。
とは言え、緊張してしまって何か対策をしておかないと不安という方もいらっしゃいます。そういった方は、予備校などの口述模擬試験に参加するのも良いでしょう。
無料で参加できるところや、対策として質問例を手に入れることが出来たりというメリットがあるようです。
司法書士口述試験当日の服装と持ち物
口述試験の服装は、基本的にスーツを着用しておくことをおすすめいたします。特に指定はありませんが、例年大半の方はスーツを着ております。
服装で合否が大きく変わることはありませんが、この試験は司法書士の資質を見極めるという意味もあるため、司法書士の仕事着であるスーツを着ておくのが無難です。
また、口述試験当日の持ち物は「口述試験受験票」と「筆記用具」です。
受験票は忘れると取りに戻るほかありませんので、家を出る前にかばんに入っているのか必ず確認してください。
筆記用具は黒インクのボールペンや万年筆を用意しておきましょう。
司法書士合格者向けのイベントには、今申し込みをすべき
最終合格発表の前後は、例年、各所から司法書士合格者向けのイベントが開催される時期でもあります。
「合同説明会」や「合格祝賀会」がある時期ですが、なるべく早めに申し込みをするのをおすすめします。
人気のイベントは最終合格発表があってから申し込みをしようとすると、すでに定員オーバーになって申し込みを締め切っている可能性があるためです。
口述試験前には、イベント情報を公開している企業が多いのでぜひチェックしてみてください。
合格後は研修の準備をしましょう
司法書士試験に合格すれば、新人研修を受ける必要があります。
この時期はすでに転職活動をおこなっていたり、すでに事務所で勤務している方もおり、忙しいタイミングではあります。
しかし司法書士として働くためには、この研修は必須。早いうちからスケジュールを調整しておきましょう。
司法書士試験合格後の流れは下記の記事で詳しく解説しておりますので、ぜひお読みください。
もし落ちてしまったら
落ちることはないと言われている司法書士の口述試験ですが、体調不良などで参加しなければ受かることはできません。そういった場合、来年度に試験を受けなおすことが可能です。
今年度の筆記試験に合格し口述試験が受けられなかった方は、来年度の司法書士筆記試験が免除されます。
また、早く司法書士業界で働きたいと希望している方は"司法書士補助者"として働きながら次回の口述試験に挑む道もあります。
司法書士業界で活躍したいと考えているのであれば、早く業界で経験を積んでおくことをおすすめしています。
それは、司法書士は年齢で給与が決まるわけではなく、経験で大きく左右されるためです。
下記の記事では、司法書士補助者について詳しくまとめていますのでぜひ参考にしてください。
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