田中先生の経歴と事務所の主な事業
4年間の下積み期間を経て、司法書士へ
ー田中先生のご経歴を教えてください。
大学では文学部に所属しており、当時は洋服が好きだったので、「アパレル系の企業に就職しよう」と決めて就活をしていました。そんな中、友人が4大監査法人(※)に合格し、事務所で活躍しているのを目の当たりにしたんです。その姿に刺激を受けたのと、今後長くキャリアを築いていくのにも資格を保有しているほうが有利だと考え、司法書士資格を取得することを決意しました。
(※)…EY新日本、トーマツ、あずさ、PwCあらたの4つの有限責任監査法人
ー文学部から司法書士資格取得を目指したのですね。苦労も多かったのではないですか?
そうですね、法学部出身ではなかったので、法律には全く無知でした。正直、司法書士になったらどのような業務に携わるのかまったくイメージがわきませんでした。
そこで、まずはとある司法書士事務所で司法書士補助者としてアルバイトをしつつ、資格取得のための受験勉強を始めたんです。合格するまでに4年間かかりましたね。
社会人経験もなく、知識もほとんどないスタートだったこともあり、下積み時代は悔しい思いをたくさんしたのですが、今考えればそこで教えていただいたことが現在の糧になっているので、本当に感謝しています。
合格後は「司法書士法人トリニティグループ」に入所し、2年間プレイヤーとして育てていただきました。その後、「ベンチャーサポート司法書士法人」に入所。相続分野に配属され、がむしゃらに案件をこなしているうちにいろんなタイミングが重なり、法人代表に就任しました。
相続・企業法務が8割、決済・信託業務が2割。他士業と連携し、ワンストップで業務を行う
ーベンチャーサポート司法書士法人ではどのような業務を担っているのでしょうか。
全体を10割とすると、相続が4割、企業法務が4割、決済や信託が2割の割合で業務を行なっています。
ただし、相続分野のなかでも「裁判業務」は担っていません。ベンチャーサポートグループではワンストップで業務ができるよう、弁護士と連携を取り、お客様にとってベストなサービスを提供するために工夫しています。
ーグループ内に弁護士だけでなく、司法書士や税理士もいらっしゃるんですよね。
はい、他士業と連携したワンストップでの業務体制は弊グループ最大の強みです。おいのできることを共有し、意思疎通を図っています。
司法書士と税理士は切っても切れない関係ですが、ワンストップ体制がしっかり築けていないと連携がうまくいかず、お客様が一番損害を被ってしまいます。
だからこそ、私がベンチャーサポートに入所するときにも、本当にワンストップで連携できているのかについてはしっかり確認しましたね。
弊グループは、「お客様にとってなにがベストか」を一番に考えていて。自分たちが提供するサービスに自信を持っているからこそ、グループ全体で確実にお客様をサポートできるよう、徹底しています。
職場環境について
1年間のマンツーマン指導を経て、自分に合った役割が分かる
ー未経験で入所したら、どのようなステップを踏んで成長できますか?
弊所では、未経験でも初日から案件をお渡しすることがあります。まずはやってみないとわからないことも多いので、入所される方にはミスを恐れずたくさん挑戦してほしいと思っています。
そうして半年〜1年ほど業務に取り組んでみるうちに、得意なこと、苦手なことが明確に出てきますので、自分のやりたいことも見つかるはずです。
自己評価だけでなく、1年間指導してくれた先輩達からも「こういう業務が向いているのでは」とアドバイスがもらえるので、ご自身に合った役割で成長できますよ。
給与は入所時から高水準。毎年4月は定例昇給
ー給与や昇給に関わる評価制度について教えてください。
最近、給与基準を見直し、昇給基準を大幅に引き上げました。
司法書士実務の経験を問わず、初任給に関しても最近見直しましたが、重要なのは、入社後の昇給だと考えています。
知識を増やしたり、自分の役割を見つけ、課題を達成していくためには、どうしてもある程度の時間投下が必須です。また、仕事に専念すると、家族や友人、恋人に対し、少なからず影響が生じてしまいます。
たとえば、頑張ろうとするあまりついつい残業が多くなってしまったり......。
そういったときに、会社としてできることは、頑張りに応じたお給料を支給することだと思っています。日頃の本人の頑張りを家庭にも還元し、大切な人から応援してもらえるような司法書士であってほしいんです。他所と比べて弊所の給与水準は比較的高いのですが、そんな想いがあるからです。
また、弊所では昇給について明確な規定は設けておらず、半年の試用期間を終えずに昇給するメンバーもいます。さらに毎年4月が定例昇給となっており、比較的速いスピード感も特徴です。
ー頑張りはどのように評価されますか?
教育体制は基本的にマンツーマンではありますが、メンバー全員が新人を育てる意識を持つよう伝えています。
教育の方針は、「足りない部分を叩くのでなく、いいところを最大限まで引き上げる」。社会人経験の有無や年齢によって求められるものがまったく違うので、本人と対話をしながら、教育もオーダーメイドで進めます。
具体的には、日々のコミュニケーションの中から新人の得意・不得意について分析・把握し、こまめに課題設定をしています。
それに対し、どれほどのスピード感やクオリティで課題を改善できるか、代表だけでなくメンバー全員で見て評価しています。
お客様への真摯な対応を大切にするメンバーが揃っている
ー田中先生が司法書士として大事にしていることはなんでしょうか?
士業は接客サービス業だと考えているので、「人間力を磨くこと」は常に大事にしています。
司法書士事務所に訪れるお客様は、漠然とした怖さや不安感を抱いている場合がほとんど。誰でも、身の上の問題を相談するってすごく勇気がいることですよね。そんな中、例えば相続分野の面談では、初対面で故人様の財産額を教えてもらうこともあります。
そういった方々を前に、短時間でいかに信頼感をもっていただけるか。AIやロボットのような乾いた対応でなく、人間だからこそできる真摯な対応を心がけています。
リピート率が高いことも弊所の特徴ですが、これはメンバーの人柄や心の温かさが数字として表れた結果だと思っています。
将来について
まずはメンバーに仕事を楽しんでほしい。その結果、業界1位の知名度を上げたい
ー今後のビジョンはありますか?
私は、売上の規模や支店数で1位になることをあまり求めていません。
まずはみんなが仕事を楽しんで、メンバーの成長に合わせて事業を拡大していければいいと思っています。そのためにも一番大切にしているのは「所員一人ひとりとしっかり向き合うこと」です。
自身が経験した4年間の下積み時代は学びが多かったものの、今の時代には不要な慣習もあるのかなと思いますので、弊所のメンバーにはあまり同じ思いをしてほしくないんです。そのためにも給与体制や環境を変える取り組みは日々続けていきます。その結果、業界1位の知名度をあげるのが理想ですね。
求める人材像について
コミュニケーション能力と素直さがある人が活躍できます
ーどういう人が活躍できる事務所ですか?
素直さがある方ですね。人を受け入れたり、認めたりする力。本当にそれに尽きるなと感じています。
そのベースとしてコミュニケーション能力は重要です。お客様の対応だけでなく、所内での信頼関係も築けるように意識できるといいですね。
面接では、採用する側でも採用される側でもなく、対等な人間としてお話ししたいというのが本音。
まずは自己分析をしっかり行ない、どうして弊所を選んでくれたのか、自分の言葉で話していただきたいです。「ベンチャーサポートで仕事がしたい!」と思ってくれる人と、私たちも一緒に仕事がしたいんです!
これから就職・転職を考えている人へ
ー最後に、就職や転職を考えている読者にひと言お願いします!
仕事を通じてなにを得たいのか、まずはたくさん自己分析してみることをおすすめします。
誰しも必ず、長所や社会に貢献できる力を持っているんです。だからこそ、あなたの「良い面」を見つけて、引き出してくれる事務所を選んでほしいですね。