司法書士
【令和5年度】司法書士合格後の完全ガイド│研修や就活スケジュール

【令和5年度】司法書士合格後の流れ│研修スケジュール・就職活動について解説

by 司法書士法人グラティアス 志村直也

代表所長 司法書士

担当職種:
  • 司法書士
【令和5年度】司法書士合格後の完全ガイド│研修や就活スケジュール

こんにちは。リーガルジョブマガジン編集部です。

本記事では、司法書士法人グラティアス 代表所長の志村先生監修のもと、令和5年度 最新版の「司法書士合格後の流れ」を解説。

▼詳細はリンクからご覧いただけます

司法書士合格者の方はぜひ最後までご覧ください。

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司法書士試験合格後の流れ・やること

令和5年度 司法書士試験の最終合格発表日は、11月10日(金)午後4時から。法務局・地方法務局での掲示、法務省ホームページを通して、合格者の受験番号を確認できます。また、11月29日(水)の官報に、合格者の受験番号・氏名が掲載されます。

司法書士試験の合格後にやることは、以下の通りです。

  • 「中央新人研修」を受ける
  • 「ブロック新人研修」を受ける
  • 「司法書士会新人研修」を受ける(※単位会によって時期は様々)
  • 「特別研修」を受ける(※認定司法書士になるための研修)
  • 司法書士としての就職活動
  • 司法書士登録を行う(※多くの方は就職後)

研修は時期が決まっていますが、就職活動のタイミングやスケジュールは人によって異なります。詳しくは次章で解説します。

【必見】司法書士合格後の就職活動スケジュール

就職活動のスケジュールは、開始時期によって異なります。以下3パターンのスケジュールと特徴をまとめました。2024年1月末以降に就職活動を予定している方は、パターン3をご参照ください。

  • パターン1:筆記合格後~新人研修中
  • パターン2:口述合格後~配属研修中
  • パターン3:新人研修後

パターン1. 筆記合格後~新人研修中

就活パターン1_筆記合格後~新人研修中

最も早く動きだすのがこのパターンです。採用担当者と早い段階で接点を持つことができ、ライバルが少ない中で就職活動を進めることができます。

筆記試験に合格していれば、口述試験も合格する確率が高く、この時点で内定を出す司法書士事務所は多くあります。そのため、筆記試験合格後から求人応募や面接選考を進めるのがおすすめです。

パターン2. 口述合格後~配属研修中

就活パターン2_口述合格後~配属研修中

口述試験の合格を確認してから、就職活動を行うパターンです。資格者として求人応募や就職活動を進めます。

研修期間は時間が制限されますので、応募書類の作成や求人応募など、余裕のあるうちにできる限り進めておきましょう。

パターン3. 新人研修後

就活パターン3_新人研修後

新人研修がひと段落する頃から、就職活動を始めるパターンです。兼業の方や、研修と仕事の両立で時間に余裕がない方はこのスケジュールがおすすめです。

人によっては配属研修の頃に、面接などの選考が入るでしょう。「研修期間に面接は難しいのでは…?」と思われるかもしれませんが、事務所によっては19~20時頃など夜でも対応していただけます。時間をうまく調整して選考を進めていきましょう。

研修中の就職活動に不安がある、自分に合った事務所を知りたい、といった方は、司法書士専門エージェント「リーガルジョブボード」にご相談ください。

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司法書士事務所の選び方

司法書士の就職活動では、自己分析が非常に重要です。

  • 将来的にどんな司法書士になりたいのか
  • どんな業務に携わっていきたいのか
  • 独立したいのか、司法書士事務所で働きたいのか

こういった考えをまとめることで、入るべき事務所が明確になっていきます。事務所の選び方や、正しい自己分析の方法は、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご一読ください。

事務所選びの詳細はこちら

中央新人研修

中央新人研修は、第1グループが令和5年12月11日(月)からで、第2グループが令和6年1月5日(金)からです。詳しい受講期間は下記の表をご覧ください。

PCやスマートフォンから受講できる“eラーニング研修”で、期間内に全て受講し、レポートの提出をもって修了となります。eラーニングの利用推奨環境については、こちらをご覧ください。

研修内容は、司法制度の歴史や、司法書士の主な業務、司法書士としてのマインド・職責・倫理など。

視聴グループは、ブロック新人研修の受講会場に応じて決定され、選択することはできません。昨年度までは3グループに分かれていましたが、令和5年度からは2グループになっています。

視聴グループブロック受講期間
第1グループ北海道・東北・中部・近畿・
中国・四国・九州
令和5年12月11日(月)0時00分~
12月28日(木)23時59分
第2グループ関東令和6年1月5日(金)0時00分~
1月22日(月)23時59分
※出典:日本司法書士連合会「令和5年度 司法書士新人研修のご案内

申込方法や受講料は、ブロック新人研修に関する説明のあとにまとめて紹介します。

ブロック新人研修

ブロック新人研修は、全国8ブロックごとで、1~3週間程度行われます。受講するブロックによって、集合形式のほかにWeb形式も併用するケースもあります。

実務を意識した研修となっており、実践的な内容が学べるほか、開業に関する知識も得られるようです。

ブロックごとの受講期間や定員は表の通りです。ブロックごとに先着順での受付となり、定員に達した場合は申込締切となりますのでご注意ください。

受講するブロックは希望を出すことができます。将来的に独立開業を考えている方は、開業予定地での受講が推奨されています。

ブロック定員日程実施形式
北海道30名令和6年1月15日(月)~1月21日(日)集合
東北40名令和6年1月14日(日)~1月22日(月)
※1月18日(木)は休講日
集合
関東330名Web:令和5年12月18日(月)~令和6年1月14日(日)
集合:令和6年1月13日(土)~1月14日(日)
集合・Web
中部65名令和6年1月8日(月・祝)~1月14日(日)集合
近畿130名令和5年12月16日(土)~17日(日)、21日(木)~24日(日)
令和6年1月5日(金)~8日(月・祝)、12日(金)~14日(日)
集合
中国40名令和6年1月10日(水)~1月16日(火)集合
四国20名令和6年1月6日(土)~1月12日(金)集合
九州70名令和6年1月13日(土)~1月20日(土)集合
※出典:日本司法書士連合会「令和5年度 司法書士新人研修のご案内

申込方法や受講料は、このあとにまとめて紹介します。

中央新人研修・ブロック新人研修の申込方法や受講料

中央新人研修とブロック新人研修の申込は、日司連研修総合ポータルに掲載の新人研修申込専用サイトから行います。

新人研修申込専用サイトは、令和5年11月6日(月)に開設される予定です。申込受付期間は、令和5年11月6日(月)0時00分~11月19日(日)23時59分です。

受講料として、中央新人研修44,000円・ブロック新人研修33,000円の計77,000円を支払います。新人研修申込専用サイトから、令和5年11月30日(木)までに受講料の支払い手続きを行ってください。

また、申込にあたり、以下の2つの書類を提出(Webにてアップロード)しなくてはなりません。こちらも期限は令和5年11月30日(木)です。

①司法書士となる資格を有する書面の写し(合格証書・認定証書等)
②住民票(受講申込日より3ヶ月以内・現住所と一致するもの)

※令和5年度司法書士試験合格者は、合格証書交付前でも申込可能です。
※令和5年11月5日現在、司法書士会会員の方は①②とも不要。

※出典:日本司法書士連合会「令和5年度 司法書士新人研修のご案内

司法書士会新人研修

司法書士会研修は「集合研修」と「配属研修」に分かれて実施され、司法書士会によってはどちらか一方のみの場合もあります。

「集合研修」は座学で司法書士実務を学ぶ研修です。

司法書士会によって内容も異なりますが、司法書士倫理、不動産登記、商業登記、相続登記、裁判書類作成等の業務について、先輩司法書士が実務経験を交えて話してくれます。また、抽選になりますが、裁判所見学や法務局見学もあります。

なかでも、東京司法書士会の新人研修は、特にテキストが実務においても使えると言われており好評です。そのため、他県の方も多く参加します。

受講料も司法書士会によりますが、30,000円前後が一般的なようです。

「配属研修」は司法書士事務所へ配属され、1~3ヶ月ほど実務を学ぶ研修です。

一般的に、研修費用はかかりませんが、その間給料が支給されるわけではありません。

申し込みの際には、登録予定の司法書士会を選ぶことが推奨されています。研修先の事務所は希望を出せますが、希望者が多い場合は抽選が行われることもあるようです。

司法書士会新人研修の詳細は、司法書士会によって異なります。気になる点などがあれば、各司法書士会に問い合わせるのが良いでしょう。

特別研修

特別研修は「認定司法書士」になるための研修で、特別研修を受けないと認定考査試験が受けられません。受講は必須ではありませんが、全司法書士のうち約8割が「認定司法書士」となっています。

第23回司法書士特別研修の日程や申込・実施方法は、令和6年3月上旬を目途に、日司連研修総合ポータルにて公表される予定です。

特別研修後、認定考査試験に合格すると、140万円以下の民事訴訟案件に対応できる認定司法書士として活躍の場を広げられます。

140万円以下の民事訴訟案件を受注する予定がなくても、過去に要件事実を学んだことがなければ、できる限り特別研修は受けた方が良いでしょう。要件事実の理解がなければ、本当の意味で法律を使いこなすことはできないからです。

例えば、不動産登記の登記原因証明情報の「登記の原因となる事実又は法律行為」は、まさに要件事実を書く欄です。売買・贈与・抵当権設定等の一般的なものは、ひな形を参照にすれば問題ありません。しかし、少し複雑な原因に基づく登記原因証明情報を作成する際には、要件事実を学んでいるかによって、登記原因証明情報の作成能力にも大きな差が出ます。

特別研修の詳細はこちら

新人研修は受けないといけない?受けないとどうなる?

合格後1年以内に司法書士として働く予定の方は、原則として新人研修を受けるべきです。

新人研修は、合格後1年以内に司法書士として登録・司法書士会への入会をする方を対象としています。参加は義務ではないため、受けなかったり、翌年以降に受けることも可能です。

しかし、司法書士として働く(登録する)のであれば、新人研修の受講は避けられません。

司法書士登録をしたいが、やむを得ない事情があり、新人研修を受けるのが難しい方は、各司法書士会に問い合わせることをおすすめします。

“働きながら”新人研修を受けることは可能?

司法書士の新人研修は、働きながら受けることができます。

実際に、司法書士事務所で「司法書士補助者」として勤務しながら、仕事と研修を両立している方は例年多くいらっしゃいます。事務所は研修への理解があるため、申請をすればスムーズにお休みをもらうことも可能です。

一般企業など司法書士業界以外で勤務している場合も、事情を説明して有休などを消化し、研修に参加する方が多いようです。また、早めに引き継ぎなどの準備をしておくことも大切です。

司法書士専門エージェント「リーガルジョブボード」では、司法書士補助者の求人を多数ご紹介できます。働きながら研修を受けたいと考えている方、司法書士補助者に興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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司法書士合格後に“即独立”するのは可能?

新人研修中に司法書士登録をし、即独立開業をする方も一定数います。

しかし、例のようなバックボーンがない限り、まずは司法書士事務所に就職した方が無難です。少なくとも配属研修は受けておくべきでしょう。

  • 司法書士事務所での補助者経験が長い
  • 親や知り合いが司法書士事務所を経営している
  • 前職が不動産会社勤務・金融機関勤務等で仕事を受注するあてがある

理由として、司法書士試験は実務家登用試験のため、実務経験がないと分からないことも多々あります。

例えば、委任状に「登記識別情報の暗号化の件」が委任事項に含まれていないと補正になります。これは受験知識だけでは分からないと思います。(私も実務に出て初めて知りました。)

どうしても即独立開業をしたい場合は、先輩司法書士や同期の司法書士に助言やチェックをしてもらうなど、徐々に実務を学んでいくという方法もあります。

司法書士の就活には“エージェントの活用”がおすすめ

司法書士としての就職を成功させるためには、自己分析やキャリアパスの策定、事務所選び、応募書類の準備など、“やるべきこと”が多くあります。

しかし、試験や研修がある中で、就職活動を一人で完璧に進めるのは簡単ではありません。

就職活動に少しでも不安のある方は、司法書士専門の転職エージェント「リーガルジョブボード」をぜひご活用ください。気軽なご相談・情報収集のみを目的としたご利用も歓迎です

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この記事の執筆者

司法書士法人グラティアス 志村直也

代表所長 司法書士

担当職種:
  • 司法書士

司法書士法人グラティアスの代表所長・司法書士有資格者。司法書士事務所を複数経験しており、業界に関する知識やトレンドを発信中。以前は主に家族信託をメインに生前対策や認知症対策に従事し、現在は売買、相続、民事信託などの不動産登記を中心に、商業登記、裁判業務など幅広く注力。

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