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司法書士の将来性や需要・AIによる影響を解説

司法書士に将来性がないは嘘!AI時代でも活躍する司法書士とは

2021年03月29日

こんにちは。 司法書士の転職エージェント「リーガルジョブボード」の稲田です。

今回は、「司法書士の将来性やAIの発達による影響」について解説します。

「司法書士の将来性はないのか?」

「AIによって今後、司法書士はなくなるのではないか?」

「コロナの影響もあって、司法書士業界はこれから不景気になっていくのだろうか..」

といったお声を、司法書士の方や求職者様からいただくことがあります。

結論から言うと、司法書士の将来性はあります。

AIによって司法書士の仕事がなくなってしまうこともありません。

本記事では、

  • 一部で司法書士の将来性がないと囁かれる理由
  • 司法書士の将来性がある理由
  • 司法書士としての価値の高め方

についてまとめているので、本記事を読むことで、司法書士業界の「今」や司法書士として活躍できるヒントを把握できるはずです。

株式会社WILLCO 稲田
この記事を書いた人
株式会社WILLCO 稲田
司法書士を専門としたリーガルジョブボード(株式会社WILLCO)の転職エージェント。転職実績は業界最大級。求人票には載っていない事務所の評判や口コミのお伝え、選考対策やキャリアステップのご相談など多岐に渡り転職支援をさせていただいています。お気軽にご連絡ください。求職者様・事務所様の双方にとってベストな転職を実現します。

一部で司法書士の将来性がないと囁かれる理由

一部で司法書士の将来性がないと囁かれる理由

下記のような一部の事業や業務は、この先需要が小さくなると一部では言われていたり、実際に件数が減ってきていたりもします。

  • 不動産登記や会社登記
  • 裁判者や法務局に提出する書類作成

その理由を以下にまとめていきます。

 

人口が少なくなってきているから

近年、「人口減少」により不動産を購入する母数が減少しています。

そのため、司法書士のメイン業務の一つである不動産登記の受注も余儀なく減少します。

事実、不動産登記の件数は平成1桁台に2000万件を超えていたものが、近年では1200万件程度となるなど、年々右肩下がりとなっています。

また司法書士の人口は増えているため、事務所あたりの受注件数が相対的に少なくなるとも言えるでしょう。

 

自分自身で登記手続きをする人が増えてきているから

年々、司法書士を頼らず自分自身で登記手続きをする人が増えています。

その背景としては、インターネットの普及により、手続き方法を調べることが以前に比べ容易になったこと。

また、自分自身で行うことによるコスト削減を目的とした方も増えているようです。

 

マイナンバーやAIなどで自動化される業務が増えてくるから

マイナンバーやAIなどでの自動化も、登記手続きの受注数に影響します。

自動化に任せられる一部の仕事が徐々に増えることで、登記手続きを担う仕事は減っていくとも考えられます。

 

AIが司法書士の仕事を完全に奪うことは起こり得ない理由

将来的に、AIにより自動化される業務が増えていきます。

しかし、そうは言ってもAIに完全に仕事を奪われることはありません。

下記で詳細をお話ししていきます。

 

弁護士、税理士、行政書士、社労士などの他士業との比較

まずは、士業全体とAIとの関係について解説します。

2015年にオックスフォード大学と野村総合研究所が発表した共同研究によれば、各士業のAI代替確率は以下になると予想されております。

 

行政書士 93.1%
税理士 92.5%
弁理士 92.1%
公認会計士 85.9%
社会保険労務士 79.7%
司法書士 78.0%
弁護士 1.4%
中小企業診断士 0.2%

 

上記によれば、ほとんどの士業がAIに代替えされると予想されている一方で、弁護士と中小企業診断士については、代替確率が低い数値になっております。

すなわち、AIに代替えされづらい士業とは、単なる手続き代行業務ではなく、コンサル業務などの顧客の抱える問題の相談・解決することを業務とする士業であることがわかります。

 

登記以外の提案業務が増加傾向にあるため

上記を前提に司法書士業務を考えた場合に、高齢化社会が進み、家族信託などの需要の高まりによって、AIの得意とする登記などの事務的業務、以外の仕事が増えてきます。

例えば、家族信託業務などは、家庭ごとの提案を行う必要があるため、AIでは対応しきれません。

また、後見業務の際、判断能力が低下した高齢者の後見人として業務を行う為、クライアントのお年寄りへの訪問や、家族との面談や連絡などの業務が発生します。

AIではそのような業務を行うことが出来ず、司法書士が必要とされる場面です。

その為、司法書士業務のすべてがAIに仕事を奪われる心配はありません。

 

司法書士業務にはコミュニケーションが必要だから

AIが進出したとしても、コミュニケーション能力は人間には敵いません。

司法書士は、登記を含むすべての業務でクライアントへのヒアリングをおこないます。

情報を聞き出すだけではなく、クライアントに寄り添って話を進める場面があり、AIではカバーできない人間味が必要。

そのため、感情も細かに汲み取れなければAIが司法書士業務をすべて行うことは出来ません。

 

決済業務は実務上AIに代替えされないから

決済業務は実務上AIに代替えされないと言われております。

自分に登記名義が移らないのであれば売買代金を支払いたくない買主、売買代金が支払われるまで登記名義を移したくない売主、抵当権設定登記が確実にできるとの保証がない限り融資をしない銀行など、これらの利害関係を調整し、それぞれの同時履行を実質的に担保しているのが決済業務における司法書士の役割です。

また、決済現場にて、本人確認、登記意思の確認を通じ、これらを総合して登記の真実性も担保しています。

以上のことから、決済業務においては利害関係人が複数になる為、実務上すぐにAIに代替えされないと考えられます。

 

ブロックチェーン登記は現実的にすぐに導入できないから

AIとは話が異なりますが、ブロックチェーンを用いた不動産登記システムの導入がされれば司法書士は必要なくなるのではないか?と聞いたことがある人もいるかもしれません。

確かにブロックチェーン技術を権利登記に用いることができれば、管理者が分散し、改ざんもされず、権利の移転とほぼタイムラグなく記録されるなど、ブロックチェーンと権利登記は非常に相性が良いです。

しかし、ブロックチェーン登記をできるようにする為には、当然ながら法律を変えないといけません。もちろん登記法だけでなく関連する法令全ての改正が必要です。

また、そのシステムを一般化することも必要でしょう。そうなるとかなりの時間を要することになります。

その為、ブロックチェーン登記は現実的にまだまだ実現は難しいです。

実現するとしても、かなり先の未来になると予想されます。

 

そもそも司法書士の廃業率は低い

中小企業白書によれば、個人事業主の廃業率は、開業してから1年後には27%、3年後には62%、10年後には88%とされております。

司法書士も独立すれば個人事業主ですが、少なくとも、開業して1年後に27%、3年後に62%、10年後に88%という廃業率よりは、圧倒的に低いことは間違いないです。

なぜなら司法書士の平均年齢は50代だからです。10年後に88%が廃業するのであれば、平均年齢はもっと低くなるはずです。

確かに平成初期の頃と比べると司法書士の廃業率は高くなっていますが、少子高齢化、長引く不況、インターネットの普及等々、当時と時代は大きく変わりました。

登記件数が年々減少しているのも上記要因によるところと考えられます。

廃業率は低いですが、今後は時代の変化に合わせて柔軟に業務を展開していく必要性はあるでしょう。

 

これからも需要がある・強まる司法書士の業務

これからも需要がある・強まる司法書士の業務上記でお話ししたように、減少していく可能性がある業務もあります。

しかし、今後も司法書士の需要は高まっていきます。

司法書士の需要が強まる場面を、詳しく下記でお話していきます。

 

成年後見制度の導入により代行業務が増えてきている

成年後見制度の導入によって、司法書士への依頼数が増えてきています。

成年後見制度とは、認知症や精神障害などにより自分自身で物事の判断ができなくなってしまった方々のための制度です。

こちらの制度を取り入れる際には、家庭裁判所や司法書士・弁護士などの専門機関へのご相談がほぼ必須となっています。

そこで生じうる具体的な業務内容としては、

  • 財産の管理や財産分与などの協議
  • 介護施設など身の回りの必要な契約締結

など。

高齢化が進んでいるため、成年後見制度は今後さらに普及されるでしょう。

 

法改正され、相続登記が義務化される見通し

2020年以降に、法改正により相続登記が義務化されます。

震災時に、所有者不明の土地が多くあり、所有者不明だと活用できない為、経済的損失が大きかったのがきっかけです。

相続登記が義務化されることによって、登記のプロである司法書士へ依頼が増加します。

なお、改正後は相続開始から原則3年以内に相続登記をする必要がありますが、改正前の相続もその対象になります。

すなわち、改正後しばらくは相続登記の需要は増えるものと予想されるため、今後も司法書士の需要は高まっていきます。

 

財産管理業務への関与

最近は、登記業務だけではなく財産管理業務も司法書士の主力業務になりつつあります。

財産管理業務とは、成年後見人、遺産承継、遺言執行者、信託監督人など誰かの財産を管理する業務です。

これらの業務は原則として紛争性が予定されていないため、特に資格を持っていなくてもできますが、業としてできると法令上の根拠があるのは、弁護士と司法書士だけです。

超高齢化社会の現代の日本において、これらの業務は今後も需要が増えると予想されます。

また、定形的な業務でもないため、AIにも代替えされない業務だと言えるでしょう。

 

今後司法書士として生き残るために必要なこと

今後司法書士として生き残るために必要なこと

増える業務もある中、さらに今後司法書士としての価値を高めるには何が必要なのでしょうか?それらを下記で説明していきます。

 

手続き代行業務からの脱却

士業の仕事を簡単に表すと、他人に代わり専門性のある分野の手続きの代行をすることと言えます。

しかし、昔と比べて今はインターネットで欲しい情報を誰でもすぐに手に入れることができる時代です。そういう意味では、士業の仕事は全体的に需要が低下していることは否めません。

そのため、今後は、単なる手続き代行業務ではなく、コンサルティング業務にシフトしていく必要があります。

例えば、相続に関する仕事を単なる相続登記だけと捉えるのではなく、遺言作成からどのように遺産分けをすればお客様の望み通りになるのかを考え、税務、保険、任意後見制度、家族信託、遺言執行なども交えて総合的に提案することです。

 

得意な分野に特化する

例えば、不動産分野の知識や経験・キャリアを積み、その分野のプロフェッショナルを目指すなど。

依頼者が相続登記をお願いしたい場合、様々な業務経験がある司法書士よりも、不動産の知識を要する資格を持っていたり不動産の相続登記の実務を数多くこなしている司法書士にお願いしたくなります。

幅広い業務経験は必要です。

しかし、自分が得意な分野に力をいれて、差別化を図ることも生き残る一つの方法です。

 

「相続・信託のコンサル業務」キャリアを積む

AIやテックに取って代わることが予想される業務が多い中、これから司法書士に求められるのは「相続・信託のコンサルティング業務」です。

高い専門性や対人スキルなど、あらゆる能力が必要となるのがコンサル業務になります。

人間が前に出なければいけないキャリアを積むことで、事務所や企業から求められる司法書士人材となれます。

 

認定司法書士の資格を取得すると訴訟活動ができるようになる

認定司法書士になると、簡易裁判所の案件で訴訟額が140万以下の事件の訴訟活動ができるようになります。

認定司法書士になるには司法書士資格を取得するだけではありません。

日本司法書士連合会の研修を100時間修了した後、簡易裁判所の代理権認定考査に合格する必要があります。

業務の幅を広げられるので、司法書士としての将来性や価値を高めたい場合は取得するべき資格となるでしょう。

司法書士事務所に転職する方法

弊社LEGAL JOB BOARD(リーガルジョブボード)では、司法書士事務所の求人を多く取り揃えています。

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その理由は以下の記事に書かれています。

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まとめ

  • 登記などの仕事は減少の可能性があるが、違う領域の仕事が増えている。
  • 高収入のイメージがあるから「食えない」と噂がでる。
  • 実際は平均年収350~600万円程度。
  • 仕事がつらいと言われるのは、司法書士の業務上「間違ってはいけない」という正確さを求められる緊張感からや職場環境が原因。
  • 司法書士として、得意な分野などを持つことが他と差をつけるポイント。
  • 司法書士は、将来的にもまだまだ活躍の場がある。

いろいろな噂が囁かれ、司法書士の将来性に不安を感じた方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、司法書士は法律のプロとして今後も間違いなく必要とされる職業です。

これから司法書士を目指す方は前向きに資格取得に励んでいただきたく思います。

また現在司法書士として働いている方も、自信を持ってキャリアを積んでいただきたいです。

株式会社WILLCO 稲田
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司法書士を専門としたリーガルジョブボード(株式会社WILLCO)の転職エージェント。転職実績は業界最大級。求人票には載っていない事務所の評判や口コミのお伝え、選考対策やキャリアステップのご相談など多岐に渡り転職支援をさせていただいています。お気軽にご連絡ください。求職者様・事務所様の双方にとってベストな転職を実現します。