弁理士試験合格から資格登録するまでの流れ
合格後にやるべきことは多く存在します。
主に実務に対応すべく実習に時間が必要で、合格してから弁理士登録ができるようになるまでは半年程度かかります。
では具体的に何をすれば良いのかを、下記で詳しく説明していきます。
①実務修習を受ける
弁理士試験に合格した後は、『経済産業大臣から指定を受けた期間で実務修習』を修了します。
実務修習とは、弁理士法によって決められた研修です。
2022年度の実務修習日程は令和4年12月9日(金)~令和5年3月31日(金)(e-ラーニング配信期間:令和4年12月9日(金)~令和5年2月28日(火))。
受講前には開講式とガイダンスがあります。
日時:令和4年12月14日(水)18時~19日 場所:Zoomによるオンライン開催 |
当日は実務修習に関する詳細な注意事項などが説明されるので、出席が必要になります。
受講申請をする
実務修習のお申し込みは弁理士会の申請書作成フォームよりお申し込みが可能です。
受講申請書受付期間は令和4年11月14日(月)~11月22日(火)になります。受付締切は、2022年11月22日(火)当日消印有効です。
下記が今年度のスケジュールとなります。
【今年度の実務修習スケジュール】 受講申請書受付期間:令和4年11月14日(月)~11月22日(火)当日消印有効 実施期間:令和4年12月9日(金)~令和5年3月31日(金) e-ラーニング配信期間:令和4年12月9日(金)~令和5年2月28日(火) 受講料:118,000円(非課税) 出典:令和4年度実務修習のお知らせ※正確な情報はこちらの出典先をご確認ください。 |
弁理士試験、合格した後はすぐに実務修習の受講申請をする必要があります。
また、原則欠席はできず、単位を取得する必要がありますが、下記の条件の方は一部研修が免除となります。
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集合研修
集合研修とは座学とも言われており、講師の方から直接講義を受けることができます。
昨年度はオンラインツールのZoomを使用して開催されました。
集合研修は各会場でスケジュールが違うため、自身が受講する場所のスケジュールをしっかりと確認しておく必要があります。
まだ今年度のスケジュールは発表されていませんが、令和元年は下記のようにコース分けされておりました。
【東京会場】
金曜コース:令和5年1月13日、1月20日、1月27日、2月3日、2月10日
土曜コース:令和5年1月14日、1月21日、1月28日、2月4日、2月11日
夜間(木・金コース):令和5年1月13日、1月19日、1月20日、1月26日、1月27日、2月2日、2月3日、2月9日、2月10日
集中コース:令和5年1月30日、1月31日、2月1日、2月2日、2月3日
【大阪会場】
土曜コース:令和5年1月14日、1月21日、1月28日、2月4日、2月11日
【名古屋会場】
土曜コース:令和5年1月14日、1月21日、1月28日、2月4日、2月11日
集合研修を受ける前に、課題として出される起案を提出しなければいけません。それは、研修がその起案の講評を交えた講義になるためです。
課題のレベルによっては、最大3回まで再提出になることもあります。レベルによっては単位を落としてしまうこともあるため、注意が必要です。
e-ラーニング研修
e-ラーニング研修とは、講義の映像を見ながら行う研修です。
今年度の日程は令和4年12月9日(金)~令和5年2月28日(火)となります。
研修内容は下記のようになります。
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②弁理士会に登録申請する
実務修習の修了後は弁理士登録を行います。
弁理士法第18条により、弁理士登録は日本弁理士会に必要書類・登録申請書の提出が必要です。
必要書類はさまざまで、住民票など市役所に取りに行く必要がある書類もあります。
期日に余裕を持って、ミスのないように弁理士登録を行いましょう。
登録費用
弁理士登録を行うためには費用がかかります。
【登録免許税】 麹町税務署へ60,000円を納めます。弁理士の登録申請前に支払う必要がある費用です。
【登録料、会費】 申請書類を持参するときに支払います。登録料が35,800円、登録月会費15,000円。合計50,800円を現金または、指定の銀行口座へ振り込みします。 出典:弁理士登録申請について |
必要書類や注意点
申請に必要な書類はこちらです。
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また、書類申請をする上で以下の点に注意しましょう。
- 書類はすべて同じ印鑑を使用すること。認印でもよいですが、シャチハタなどは使用してはいけません。
- 住民票は、マイナンバーの記載があるものは使えません。記載のないものをご用意ください。
- 取り寄せが必要な書類も多いので、なるべく早めに用意するようにしましょう。
申請先
申請先は、もちろん日本弁理士会です。日本弁理士会の事務局会員課へ提出しましょう。
持参する場合は、提出書類で使用した印鑑を持っていくことを忘れないようにしてください。
受付時間は平日の午前9時から午後4時45分まで。
また、郵送する場合は、封筒に必ず『弁理士登録申請書類』と朱書きし、書留で郵送しましょう。
どちらの場合も、不備や間違いがある場合は受理されない場合もありますので、書類提出の
前には再度内容をチェックしてみてください。
登録前や後には、イベントへの参加がおすすめ
弁理士試験合格発表後、合格祝賀会やキャリアイベントなど先輩弁理士と交流できる場に参加するのもおすすめです。
それは弁理士として活躍する前の情報集めに有効なためです。
また弁理士としてどのように活動したらいいのかを知り、業界内のつながりを作り、今後知財業界で活躍するための基盤づくりをすることができます。
昨年、実際に開催された合格祝賀会をご紹介いたします。
LEGAL JOB BOARD
弊社LEGAL JOB BOARDでも合格祝賀会やキャリアイベントを実施しており、多くの弁理士の方にご参加いただいております。
合格祝賀会では豪華景品が当たる抽選会などをご用意させていただきました。
また先輩弁理士の先生にもご参加いただきさまざまなお話をお伺いしたり、同期との交流を楽しんでいただけたようでした。
そして今年度も弁理士試験合格祝賀会を開催いたします。
詳細は下記をチェックしてください。
【イベント実績】
【終了いたしました!】2022年1月開催|令和3年度弁理士試験 合格祝賀会の参加受付中!
令和2年度 弁理士試験合格祝賀・交流会【オンライン開催について】
商標・特許弁理士によるキャリアイベントの様子を一部公開(中村合同特許法律事務所 北原先生×One ip特許業務法人 澤井先生)
LEC東京リーガルマインド
LECは資格取得・通信教育サービスを提供しています。
毎年受講者を中心に合格報告・交流会を実施しており、第一線で活躍されてい先生方からお祝いのメッセージや同期との交流ができるイベントです。
【イベント実績】
自称若手弁理士の会&知財塾共催
自称若手弁理士の会&知財塾共催の「オープン弁理士合格祝賀フェス ~弁理士を100%楽しむ方法!」が今年も開催されます。
オンラインでの開催で、先輩弁理士の話を聞けたり同期たちとの交流が出来る場となっております。
詳細は下記の記事でチェックしてみてください。
転職活動のタイミングについて
転職のタイミングですが、修習時期や修習が終わったごろから求人を探す方が多いです。
修習期間が約4ヶ月程度なので、同時に求人の情報を集め転職活動を始めると焦らずに進められます。
また、弁理士試験合格の時期は、特許事務所側が新人弁理士獲得のため動き出す時期。
いつもは求人がない事務所が、この時期には募集をかけることも
このタイミングを逃さないことが、スムーズに転職活動を行うためには重要です。
求人の見つけ方
弁理士として働く準備ができたら、いよいよ求人を探します。
下記では求人の探し方や、それぞれのメリット・デメリットをお話していきます。
弁理士会
一つ目の求人の探し方として、弁理士会があります。
基本的に知財に関する求人のみの掲載なので、ご自身にマッチした求人のみを探せるのがメリットです。
知人などの紹介
紹介の場合、公には募集していない思わぬ求人に出会えるのが魅力。
働き出してから職場に馴染むまでも早いでしょう。
しかし、入社直後に「働いてみたけど自分には合わなかった」「転職したい」と考えた際、紹介で入社した手前、辞めづらい雰囲気になる可能性もあります。
紹介してもらう前に、待遇面だけではなく事務所の雰囲気なども含め、自分に合っているかどうかをチェックするようにしたいところです。
転職サイト
エン転職やリクナビ、ビズリーチやマイナビなど、一般的な転職サイトに求人を出している特許事務所もあります。
また、最近では一般企業での知財部での就業を希望する方も増えてきているためか、転職サイトを利用して求人を探す方も多いです。
企業と特許事務所を一緒に調べることができるので、どちらも視野に入れている場合は検索しやすいでしょう。
就職転職エージェントサイト・サービス
エージェントサービスとは、転職活動を全面的にサポートする担当者(エージェント)が就くサービスです。
- あなたにマッチした求人のご紹介
- 転職のお悩みに関するご相談
- ご紹介する事務所の口コミや残業時間のお伝え
- 面接の日程調整
- 書類対策や面接対策
など、一貫して支援します。
弊社LEGAL JOB BOARDでも弁理士専門のエージェントサービスを行っています。
まとめ
弁理士試験合格後は、まず実務修習を受ける必要があります。
弁理士登録には、書類の申請と登録料などの支払いが必要です。
求人を探すときは各媒体を比較・参考にすると良いでしょう。
転職エージェントサービスも利用するとスムーズです。
弁理士は、試験合格後も実務修習などで忙しく、弁理士として働くまでも大変ですが、新しい知的財産に触れることができるやりがいある仕事です。
実務修習、弁理士登録をしっかりとこなして、自分に合った特許事務所や企業をぜひ見つけてください。